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 第八話 痺れ


 何て言うか、気を失ってばかりいる僕ではありますが、多分この体が弱いのだと思う。まるで深窓の令嬢になった気分だ。手袋と日傘を今度買おう。


 僕は、今度はすぐに目覚めた。硬直はとけているが、首から下はまだ痺れて動けない。バニーの姿でベッドに寝かされてて頭には冷やしたタオルがのっている。みんな心配そうに僕を見てる。


「これで、わかっただろ! できるだけ僕の体には触れないでお願いします」


 低姿勢でいかせてもらう。痺れてるのがばれたらまたおもちゃだ。まじて、あのくそロリばばぁ、いつか泣かしてやる!!


 それよりも、まず、考えるべき事は。


 まずはタッチヒールについて、その効能。


 牛男を召喚した黒マント。


 あと、お腹すいたからご飯。



「話はとぶが、僕は瀕死のアナをタッチヒールで回復させたわけだけど、タッチヒールってそんなにすごい魔法なのか?」


 僕はみんなの顔を見渡す。あ、やっとアナ服を着てる。


 僕に対して、サリーが口を開く。


「マリーちゃんは、魔法にマナを多量に注ぐ事で、強化してるんだと思うけど、タッチヒールをそこまで強化した話は聞いた事ないわー。実験してみるしかないんじゃないー?」


 そりゃそうだな。僕は頷く。それしか方法は無さそうだ。


「次は、牛男を召喚した黒マントの事だけど、なんかわかる事ないか?」


「……」


 返事はない。


「じゃ、勇者ってやつを探して伝言するくらいしか出来ることないか……

 勇者について、なにか知らないか?」


 僕にアナが答える。


「多分、自慢ではないが、この町一番の勇者は私ではないのだろうか?」


 ある意味アナは勇者だと思う。悪い意味で。


「それは、違うと思う。あいつは、伝言をたのんだから」


 久しぶりにモモさんが答える。


「ということは、勇者を探すしかないわねー。それよりお腹がすいた。ご飯食べに行こー。食べながら話しましょー」


 ご飯食べにいくのはいいが、問題が……僕は体が痺れて動かない。母さんの嫌がらせだ。ばれたらやばい! なんとかごまかさないと……


「じゃ、マリーちゃん起きて」


 サリーが僕にかけてあった、ブランケットみたいなのをはがす。


「すまないが、気分がすぐれないんで、もう少し待ってくれないか?」


 僕は弱ったふりをすることにした。それにしても、いつまで痺れは取れないんだろう。


「それなら、私が負ぶっていこう。なんかワクワクするな」


 アナが僕に背を向けかがむ。


「もしかして、まだ、動けないの? お母様の魔法で」


 モモさんの目が光る。その通りです。


「そうか。動けないのか。マリーをいじりたおしたいとこだか、私もお腹がすいたしな。なんか買ってきて、マリーにあーんするのもいいなぁ」


 アナがうっとりしてる。よかったクレイジー系のいじりじゃなくて。


「けど、ここらへん、持って帰れるようなとこないよー」


 サリーが言う。そういえば、ここらで余り食べ物屋を見なかった。前に、モミと結構歩いた事を思い出す。あ、そう言えば、明日モミと約束してたなー。


 ぶるっ!


 いかん、露出の多い服を着てるので、なんか、おしっこしたい気がする。ていうか、したい。


 これって結構やばいんちゃうの? クレイジー仮面のときを思い出す、正直トラウマになりそうだ。なんでこのタイミングで、僕はおしっこの呪いにでもかかっているのだろうか? やばい、我慢出来なさそうになってきた。男の時よりも全体的にステータスが低いから、大惨事の予感がする。


 やむなし……助けてもらうしかないか……


「……トイレ行きたい……」


 アナが僕を見て目を細める。ゲッ、嫌な予感しかしない……



 読んでいただきありがとうございます。


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 とっても執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。

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