第三話 ぐだる
僕はアナを強く抱き締める。アナも僕の頭をきゅっと抱きしめてくれる。アナの方が背が高いので、僕は肩の所に顔を埋めている。背に回した僕の手は直接触れていて暖かい。下着姿なのでいろんなとこが直接触れてる。アナの小振りな胸が僕でひしゃげている。薄布ごしなのでその形も柔らかさも伝わってくる。トクントクンと心臓の鼓動が伝わってくる。少し恥ずかしいけど、ずっとこうしていたい。あたたかい、気が落ち着いてくる。
「取り乱して、すまない」
僕は涙を拭う。そして、アナから離れる。アナが僕に微笑む。涙の跡が光ってる。正直きれいだ。これで変態で無ければな……
どこまで言うか迷ったけど、どうもこれから一緒に戦うこともあると思うから、能力を開示する事にした。
「僕のクラスは聖女。能力は、オートヒール。傷が自然にマナを使って治る。それと、重力操作、自分と自分に触れてるある程度のものの重力をコントロールできる。高くジャンプしたり、ゆっくり落下したりできる。気を失っていても、高い所から落ちて傷ついたりしない。あとは、役にはたたないスキルだ」
男になる事は、言わない事にした。僕のロンギヌスを見て動揺するくらいまだ男慣れしてない彼女らを刺激したくなかったのもあるが、もし僕がクレイジー仮面だったことがばれたら、嫌われるんじゃないか怖かった。
「僕自身、まだ解らないこともあるけど、僕の能力はこれくらいだ」
「ほんとーに、出来ることはそれだけなのー?」
サリーが僕をじっと見る。
「今の僕に出来ることは、そんなもんだよ。聖女については、どういうものなのかあんまり解らない」
僕をじっと見ながらサリーが語り出す。
「聖女について、あたしが知ってるのは、癒しの魔法のエキスパートで聖気を出し続けて回りにいる者を癒し続けるって事と、アンデッドや悪魔系の生き物を引き寄せる事と、それらに強力なダメージを与えられる事かなー。神殿に行けばよくわかると思うけど、気をつけないと囲い込まれるかも」
「そっか……」
何か聞き捨てならない事が……
アンデッドや悪魔系を引き寄せる? ええとこなしやないか……
しかも神殿に行くと囲われるだと? なんとかして男のキラ・シドーに戻らないとロクな事にならないんじゃ? まあ、ジタバタしても始まらないので、それは置いといて、アナ達の事も聞いとこう。
「もし問題ないなら、みんなが何が出来るのかも知りたいな。今後また一緒に戦うことがあるかもしれないから」
「そうだな。では、まずは私から」
アナだ、少し目が赤い。相変わらず下着姿だ。僕はつい目を背けてしまう。
「アナ、服を着ようか、風邪ひくぞ」
「いや、私はこのままでいい。マリーに抱きついたときに、その胸を堪能出来るからな。今日からお前は私のものだ! 牛には渡さん!」
そう言うとアナは再び僕に抱きついてくる。カアッと顔が熱くなる。だめだ、恥ずかしい。
「離れろ! さっきは流されただけだ。抱きつくな」
最後にぎゅっとするとアナは離れた。しあわせそうだ。まあ、いいか。
「アナだけ、ずるいー」
次はサリーが抱きついてくる。僕の方が少し背が高いので、ぎゅっとしたあと僕の胸に顔を埋める。
「うりうりうりー!」
顔をうりうりし始める。
「キャハハッ! うりうりは止めてーっ!」
くすぐったい。最後にきゅつとして離れた。やっぱサリーはなんかかわいい。
「次は私の番ね。マリーちゃんが頑丈って分かったから、本気でやれる」
モモさん、目がまじなんですけど……
「いきます」
「ギャアアアアッ! 痛い痛い強すぎるっすー!」
モモさんは僕の胸に顔を埋め持ち上げる。これはいわゆるベアハッグ! モモさんに抱きついているけど、その感触を楽しめない。痛い! 痛いって!
「まんぞく……」
やっとモモさんから解放された。
「これで、私たちの能力は粗方わかっただろ」
アナが、どやる。
「わかってたまるかっ!」
とりあえず、アナをどつく。ああ、こいつら自由すぎて、話がすすまない。
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