幕間 ハーレム聖女 1
目が覚めると僕は寝ていた。お日様の匂いがしてとってもふかふかしている。多分柔らかいベッドだろう。体がさっぱりしている。誰かが拭いてくれたんだな。ありがとう。けど、恥ずかしい。それに、多分新しい服も着てる。
右手と左手はしっかりと両手で掴まれてるような感触がする。ような、なのはなんか柔らかいものが上から覆い被さり、視界を全て遮っているからだ。どうも誰かに頭を抱き締められているらしい。お花のような匂いがする。
あと、腰の所にも柔らかいものが、どうも横からも誰かに抱きつかれてるのでは?しかも、胸をわしづかみにされてる。少し痛い。
よく、今の状況を考えてみる。
僕は町の外で気を失った。気を張り続けていて、安心したからということにしとこう。
右のごつごつした手は、牛男だろう。僕はどうも気を失いながらもタッチヒールをかけ続けたらしい。さすが僕。おかげで、マナがスカスカだよ。
左手を握りしめてる手は誰だろう。柔らかいけど、所々堅くなってるとこがある気がする。何かを握り続けた手。多分、アナかモモさん。どちらだろう?
頭にしがみついてるのは、多分間違いなくサリーだろう。大きな柔らかなものに顔を挟まれてる。服とブラを付けてると思われるのがせめてもの救いだ。気持ちいいけど勘弁して欲しい。このままだとまた意識をもってかれそうだ。
腰にしがみついてるのは、モモさん。腰に触れてる柔らかなものがそこそこ大きい気がする。
残った左手はアナに確定!
よくよく考えたら、ハーレムなうだなー。牛男もいるけど。少し前には考えられなかったことだ。聖都にくる前は父さんと母さんと山暮らしだったし。
けど、悲しいかな、僕のロンギヌスは無くなってる。しばらくこの状況を楽しみたいけど、いかんせん、いつ男に戻るかわからない。それに、心臓がどくどくし過ぎて、また、倒れそうだ。
「みんな! 起きろー!」
果たして予想通りだった。サリーとモモさんは、驚いて跳びおきる。アナは、うなだれてよだれでてる。牛男は頭に紙袋を被っている。角が出てるし。
何か、少し幸せ。僕がボロボロになりながら、勝ち取った世界だ。これを守っていくために、もっと僕は強くなっていこうと思う。あとは、聖都に戻ったら、僕を追放した連中に思い知らせてやる。
「アナ起きろ!」
握られた手をブンブン揺すって起こす。
牛男は見た所、体に異常が見えないので、試しに手を離してみる。もつ崩壊は落ち着いてるみたいだ。
「牛男、調子が悪くなったらいつでも言えよ」
牛男はコクコクうなづく。可愛い奴だ。
話を聞くと、今僕が居るのは、アナの部屋だそうだ。殺伐なのがアナっぽい。色々話したい事はあるけど、まずはそれよりも汗を流したい。髪も血やいろいろで、気持ち悪い。ちなみに、牛男と僕以外は、もう入浴済みだそうだ。
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