ドラゴンプリンセス 10
「美味いな、このトカゲの肉」
「何言ってる。俺らがトカゲの肉なんか食うわけねーだろ」
食い気味にアビゲイルが言う。
「いや、セバスチャン、いや、ガガがこれトカゲの肉だって」
「おいおい、ガガ、マリーは単純だからあんまり変な事言うなよ。すぐ信じるんだから」
う、アビゲイルの分際でヤレヤレポーズしてやがる。
「お前にだけは言われたくねーわ」
親父に言われたってだけで、男のふりし続けてるお前ほど単純じゃねーわ。
「お言葉ですがマリー様、お嬢様はそこまで単純じゃないですよ」
ん、ガガ、またくだらない事言うつもりか?
「だから、お嬢様じゃねー。お坊ちゃんだ!」
「いや、その格好、どう見てもお嬢様ですよね。お似合いですよ」
「くっ、これは、女装してるだけだ。せっかくの貰い物だから、着てやってるだけだ!」
着てやってるだけ? そのわりにはノリノリだったな。
「わかりました。マリー様、お坊ちゃまは、騙されやすく単純で頭の中筋肉だけでお花畑な人と思われがちです。ですけど、いつも自分を男だとは言いはられてますが、薄々は気付いてはいるのですよ。マツタケやバナナを大量に食べたからって生えてこない事は気づきかけられてるんですよ」
まじか、クソ親父、鉄拳制裁確定だな。いたいけな少女にマツタケやバナナをたくさん食べるとチムチムが生えてくるって言いくさってやがったのか!
なんかアビゲイル、ディスられてんな。それを気にせず美味そうに飯食うな。
「おいおい、お前らがコイツの教育係なんだろ。クソ親父に言われたからって教えてやれよ」
「マリー様、おじょ、お坊ちゃまは頑固なだけでなく、お強いのですよ。お坊ちゃまに何かを認めさせるなら、拳でわからせるしかないんです。そもそも、せっかくお坊ちゃまがその肉体美をさらしてくれるのに、それを止めさせる人居るわけないじゃないですか。この執事職も大人気なのですよ」
まじか、この執事は思った通りゲスだな。ラッキースケベを堪能してやがるのか。けど、これについてはもうツッコむのは止めよう。話が空回りして進まない。見守る事にしよう。
「で、この肉は実際なんなんだ?」
ガガが応えてもくれる。
「ビッグバードですよ。マリー様たちがダチョウとか、エミューとか呼ばれてる鳥のようなものです」
「今度は本当だろうな。とっても美味しいよ」
ここの料理は、塩コショウだけとか単純な味付けで素材の良さがわかるものばかりだ。素朴だけど美味しい。ワイルドさがこの岩をくり抜いた町っぽくていい感じだ。
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