ドラゴンプリンセス 8
「お嬢様、お帰りなさいませ」
扉が開き中から尻尾と角が生えた執事っぽい人が出てくる。後ろにはメイドも数人控えている。執事は白髪と白髭を生やしているけど、顔は若々しい。デカくてゴツい。『こんな執事いるかよ』ってツッコみたい。
「お嬢様じゃねーよ。俺は男だ!」
「はいはい、畏まりました。男とおっしゃるのでしたら、浴場でのお世話もさせていただいてもよろしいのでしょうか? 浴場なだけに欲情してしまうかもしれませんが」
なんかまた濃いの出てきたなー。さっさと飯食って次のエリアに行きたいんだけど、なんかまだグダグダしそうな予感だ。
「うるせぇ。死んでもお前なんかとは風呂に一緒に入んねーよ」
「そう、おっしゃらずに。男同士、背中を流しあおうじゃないですか」
アビゲイル、本人が自分は男って言ってるだけで、周りはそれをからかいのネタにしてるのか。それにしても、無礼な執事だな。それだけ仲良しって事だろう。
「いやだ。あんましつこいとぶっ殺すぞ。それより、客だもてなせ」
ゴリマッチョ執事は恭しく頭を下げる。うわ、角ゴツい。胸板厚っ。
「初めまして。この屋敷の執事のセバスチャンと申します。以後お見知りおきを。おお、マリー様ではありませんか。ご高名はかねがねうかがっております。ここは我が家だと思ってご寛ぎくださいませ」
「ああ、うん。で、なんで僕を知ってるの?」
「ん、もしかしてご存じないのですか? ハリケーン様から説明は無かったのですか?」
ハリケーン様? なんかクソだっせぇ名前だな。なんか聞いた事があるけど、誰だっけ?
「ハリケーンって誰?」
「えっ、ご存じない? むぅ、という事は……私からはお話しない方が良さそうですね。では、案内いたしますのでついて来てください」
僕らは石壁の豪華な屋敷の応接間っぽい所に案内される。扉は開けるたびになんかゴゴゴゴッって重厚な音を立ててる。げっ、扉も石だ。蝶番どうなんてんだよ。なんかメイドとかが軽く開けてるけど、多分僕らの中ではウシオしか開閉できないんじゃ? ウシオが居ないと閉じ込められそうだな。テーブルも椅子も石だよ。その椅子がヤバい。なんか座る気がうせる。椅子は全て背もたれが無く、真ん中に溝がある。横からみると凹の字の形している。まあ、ここの人たちはみんな尻尾が生えてるからこういう椅子じゃないと座れないのはわかるんだが、これって伝説の『スケベ椅子』にしか見えない。昭和のラブホテルや風俗店にはあったらしいけど、僕は見るのは初めてだ。たしか、パチスロの演出で、椅子取りゲーム勝負を主人公がして、プレミアム演出で、金のコイツが出たら勝利確定、ボーナス確定だったな。金のスケベ椅子が出てボーナス確定って、どんなボーナスだよって感じだけど。
けど、ウシオもサリーもシェイドも気にする事なく座ってる。もしかして僕の心が汚れてるだけなのか?
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