ドラゴンプリンセス 1
「この先に進みたくば、俺を倒していけ」
岩山に出るなり黒い影が僕らの前に降り立つ。ウシオが右手でかばうように前にでる。流線型の黒い全身鎧に二つの角がついた兜。格好いいんだけど、一つのものが全てを台無しにしてる。尻尾がついてる。怪獣のような尻尾、金属の蛇腹みたいなやつがついてる。あと、声が高い。まるで、アニメでイケメン男子を女性の声優が演じてるような声だ。
「お前は誰だ」
「竜だ」
おいおい、自分が竜だって? その角と尻尾はドラゴンをイメージしてるのか? もしかして痛い奴なのか?
「あなた、『竜』って名前なの? それともドラゴンが大好きなの?」
サリーが僕の代わりに言ってくれる。
「四の五のうるさい奴らだな。俺は竜だってだって言ってるだろ。それよりさっきの続きだ」
ん、さっきの続き?
シュツ。
黒騎士が右手を突き出したと思ったら、その手から槍が突き出されている。その先をウシオがつかんでいる。槍、あれはランスだ。長く伸びた円錐に握りがついた形。乳白色のそれは何かの骨かなにかを削りだしたものみたいだ。多分あれは竜牙のランス。文字通り竜の牙を削りだしたものだろう。ウシオとせめぎ合いながら、その尻尾が揺れている。もしかして飾りと思ったけど、本当に尻尾が生えてるのか? おかしい。ウシオと力比べで負けてない。もしかして、本当にコイツさっきの竜? もし、さっきの竜が人間に変化したのだとしたらなぜ? 会話する事、交渉する気があるって事じゃ?
「待て、ウシオ。それに、その、竜さんも少し話そうじゃないか」
「アビゲイルだ。黒竜族の族長の子だ」
「族長の子? 族長は居ないの?」
サリーが尋ねる。
「族長、父上は女王、母上の護衛をしてる」
ん、今、結構重要な事言わなかったか? コイツの母上が女王、黒竜の族長がその夫。という事は、僕の予想通り精霊女王が母さんと同一人物だとしたら、コイツ、僕の兄弟?
「ちょっと待て、という事はお前、精霊女王の息子なのか?」
「違う。母さんは義理の母さんで俺を生んでくれた母さんは死んだ」
「悪かったな、嫌な事聞いて」
「いや、問題ない」
ちょっと頭を整理してみよう。精霊女王が母さんだとしたら、その夫のクソ親父が黒竜の族長? ないない、あのクソヤローが、そんな族長とかいう人をまとめるような事ができるのを想像できない。けど、ロザリーみたいなダメな奴でも力だけでトップに立つ事が出来るわけで。んー、考えてもらちあかんなー。まあ、精霊女王のそばにその族長は居るみたいだから、会ったらわかるだろう。保留だ。
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