ヒーラー
「ウシオ、そんな事しなくても、僕は待ってたよ」
リスポーンを移動手段に使うのは無し目の無しだ。
「ご主人様を待たせるなんて、従者失格です。ただでさえ守る事も出来なかったのに」
守るもなんも、いきなり超重力は、初見殺し過ぎるだろ。けど、多分ウシオは、あとサリーもシェイドも、頑丈過ぎるからまさか僕が一撃死してるとは思わなかっただろう。ザコですまぬ。
「そんな事気にするな、自分の体も大事にしろ」
「いえいえ、ご主人様が最優先です。このイージーダンジョンは、やたらザコの攻撃力が高いから、多分ご主人様は神殿から動かないと思われましたので、待たせないために、他の手は思いつかずこういう手段をとらせていただきました」
ん、なんかウシオの顔が赤くてやたら早口だぞ。もしかして照れてる? じっとその顔を見つめる。可愛い奴だな。
「ここのルールで所持金が半額になる事も承知の上です。そんなはした金よりご主人様の方が大事に決まってます」
「そうか。ありがとうウシオ。けど、もし、僕が本当に死んだとしても、後を追ったりするのは禁止だ。僕はウシオには幸せになって欲しいんだ」
僕らは手を取り合って見つめ合う。
「ご主人様」
「ウシオ」
「ご主人様」
「ウシオ」
「はーい、ストップ」
サリーが現れて、僕たちの手を下から切り離す。
「どこから出てきたんだ?」
「ウシオの影からなのだ」
シェイドがウシオの影から出てくる。
「ウシオくんが消える前にシェイドの部屋のホストになってもらったのよ」
「まじか、さすがサリー」
「当然よ。所持金半分とか死んでもやだわ。それより、なんとかしないとね。まださっきの黒竜、死んではなかったわ。動かなくなってたけど、時間置いたらまた復活しそうよねー」
「では、急いで戻って退治してやるか」
「ちょっ待てよ。戦いに行ったら、また、僕はやられるぞ。男に戻る時間が欲しい」
「マリーちゃん、それ却下、シェイドの部屋から見とけばいいじゃん」
「えー、僕だって戦いたいよ」
「だめー」
「ダメなのだ」
「ご主人様、私に任せてください」
あーあ、どうやら僕は黒竜とは戦わせてもらえないみたいだ。
けど、マリーの時の紙装甲をなんとかしないと、今後、今回みたいな全体攻撃で一撃死したらしゃれならんな。RPGのヒーラー職のあるあるだよな。パーティーの継戦能力にはヒーラーが必要だけど、だいたいヒーラーは貧弱だ。
しかも、この世界では、癒しの力を強くするためには人を癒しまくるしか無いわけだけど、そのためには怪我人が必要という難儀なパラドックスもある。だから、僕のような超強力なヒーラーは超貴重だったりする。
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