墳墓?
「マリーちゃん、後ろ」
「へっ?」
サリーが僕の方を指差している。振り返ると床から扉が生えている。金属の扉で鋲が打ってある。扉とその枠だけで、あの有名なワープ出来る扉のゴツいバージョンって感じだ。
「ご主人様、開けてみますか?」
ウシオが扉に近づく。
「待て、罠かもしれない。他にも扉があるか探してみよう」
僕らは使った食器を片づけ、他の部屋にも扉が出てないか探す。他の部屋にも扉があった。と言うか、同じものに見える。部屋からみんな出ると扉が消えて入った部屋に扉が現れる。外に出ると外に、廊下に出た時には廊下にも現れた。どうやら僕たちについてきてるみたいだ。ストーカーかよ。
「多分同じものね。開けるしかないみたいね」
「サリー様、私が開けます」
ギギギギーーーーッ。
不快な音を立てながら扉が開く。さすがウシオ。分厚い金属なのに片手だよ。部屋の中は更に薄暗い。
「光よ」
サリーの手から出た光の球が中に入っていき、フヨフヨと浮かび上がり部屋を照らす。僕らは中を覗き込む。中には手前にスペースがあり、奥に棺桶が並んでいる。その一番奥に祭壇みたいなものがあり、その上にピンク色に白い装飾と宝石を散りばめたギャルの携帯みたいな棺桶がある。その手前には十個ほどの黒い棺桶が並んでいる。ウシオが蹴って棺桶の蓋をずらすが中は空だ。多分ここはこのエリアのボス戦用の場所だったのだろう。
「どうやら、何も居ないみたいですね」
まあ、僕もそうだとは思った。けど、ウシオは一応用心のため、全ての棺桶を開けつくした。
「みんなまとめて浄化しちゃったみたいねー」
「そうだな。けどさ、もしそうしなかったら、かなり面倒くさい事になってたんじゃないの?」
今までの結果から、正攻法でやったらのifを考えてみる。
まず、要塞の扉から洋館に入りましたー。多分ロザリーが白いドレスかなんかで、ピアノを弾き始める。僕らはうっとりするかもしれない。ロザリー、干物のばばぁだったとは思えないくらい可憐だもんな。けど、実際はピアノは自動演奏。練習しろよ。そして、ゾンビがしこたまなだれ込んでくる。ここらでロザリーは一端はけるだろう。ゾンビを倒しまくりながら教会に行って鍵を取ってきて、寝室の宝箱を開ける。多分ここら辺はヒント貰えそうだな。そして羊羹出して食べて扉を出す。ゾンビの残骸だらけのとこで羊羹食べるのは嫌だなー。なんでゾンビサバイバルの進行フラグに食事が入ってんだよ。作った本人は斬新とか思ってるかもしれないけど、電波なだけだから。ロザリーのアイデアだと思うけど、誰か諫めてやれよ。トップには意見し辛い縦社会の弊害だな。そして、この棺桶部屋で手前の棺桶に入っていた強キャラとバトって最期がロザリー。
「そうねー。面倒くさかったと思うわ。それに多分、この部屋でもなんか悪趣味な演出があったんだろーねー」
「悪趣味で悪かったわねー」
上から女の子の声がする。




