表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

51/485

 第五話 服を買いたい


「お父さんに、シャツをプレゼントしたいのだけど、一緒に選んでくれませんか?」


 我ながらいい言い訳が出来たのではと思う。セリフも心の中で何度も練習したので、不自然ではないと思う。ちなみに、くそ親父には死んでもプレゼントなどしたくはない。奴へのプレゼントは露出狂の噂だけで十分だ!


「お父さんにプレゼント? ほんとにお父さんなの、彼氏じゃないの?」


 サリーが目をキラキラして腕にしがみついてくる。駄目だ、この攻撃には慣れない……


 回りで何人かの男性が僕達を、特に僕達の胸を凝視してる。どう見てもこの店の買い物客とは思えない。


 アナとモモさんも僕達につかず離れずなとこにいる。3人とも、目立つように金の認識票を首にかけてる。多分これが僕を守ってくれている。獰猛なライオンが三匹うろうろしてるようなもんだ。


「彼氏もなにも、私、山からでて来たばかりだから、冒険者ギルドの受付さんと、あなたたちしか知り合いいないわよ」


 そのからみも想定内。よどみなく答える。あと、聖都にはクラン『セイクリッド・マローダー』のメンバー達と面識があるが、入団して日が浅かったので、ジェフ達以外はあまり知らない。


「それなら、私達に服をプレゼントしてくれ、ここに居ない親父さんとかどうでもいいだろう?」


 アナが訳のわからん事を言ってくる。コイツの頭は異次元なのか? 言動が全く予測が出来ない。


「わかったよ。ついでに買ったげるよ」


 いかん、こいつと話すと女言葉が解けちまう……


「これなんてどうかしら?」


 モモさんは、オッサンの着るような肌着と腹巻きをもってくる。あなた、解ってボケてるでしょ。


「お父さん、それ貰って喜ぶかなー?」


 まあ、うちのクソ親父にはめっちゃ似合いそうではあるが。


「お父さん、私のプレゼントなら、なんでも喜ぶわ」


 モモさん、お父さんと仲良しなのですね。すんなりと彼女は、服を戻しに行った。


「彼氏じゃなくてー、父親じゃない人のために服を買う? パパ! パパがいるのね!!」


 サリーが僕に指を突き付ける。


「パパなど、おらんわ! オッサン全般むしろ嫌いだわ!」


 ついに若干きれてしまった。頼む僕の服を買わせてくれ!


「それも違うならー、もしかして、マリーちゃん男の子だったりして、今は変身してるとかで」


 サリーの言葉に、僕は硬直する。なんて鋭いんだろ。ここは、素直に告白したがいいのでは?


「サリー……実は……僕は……」


 やはり、迷う。どうすればいいんだろう……


『モンスター! モンスターが出たぞー!』


 遠くから、叫び声が聞こえる。途中から、薄々気づいてました。僕の男ものの服は買えないのね……


 読んでいただきありがとうございます。


 みやびからのお願いです。「面白かった」「続きが気になる」などと思っていただけたら、広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、ブックマークの登録をお願いします。


 とっても執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ