平和主義
「じゃ、そろそろ始めるわよ」
「まてっ」
エルエルが立ち上がろうとするのを止める。
「サリー、コーヒーおかわり頼む」
サリーがポットでエルエルのカップにコーヒーを注ぐ。どう見てもポットの容量以上のコーヒーが出てきてる。魔法なのか? 魔道具なのか?
「もうお腹タプタプよー」
とか言いながらもエルエルは砂糖ドカドカ入れている。これで少しは時間稼げるだろう。
「ちょっと提案があるんだが、バトル以外で先に進める方法はないのか?」
この堕天使は強い。みんな纏めてエビシの墓場送りになる未来しかみえない。まあ、死にはしないんだけど、お金半分没収は勘弁して欲しい。
「ないわね。私はあなたたちを倒して、お尻の恨みを晴らして有り金半分巻き上げて、街で今日はちょっと贅沢なディナーする事に決めてるのよ」
欲塗れだな。さすが堕天使。
「わかった。それなら、僕たちの有り金半分渡す。ほら、戦うの面倒くさいだろ。座ってコーヒー飲んだだけでお金貰った方がいいだろ」
「釣り合わないわ。私のキュートなお尻の恨みはどうしてくれるのよ?」
「わかった。それならしょうがない。僕が一発くらってやる。それでいいか?」
「くらってやる? じゃ、戦いましょうかねー」
エルエルは立ち上がる素振りをする。テンプレなツッコみしやがって。昭和かよ。腹立たしいけど、頭を下げる。
「イキってスミマセン。この僕にカンチョーを一発お願いします」
「嫌よ。なんで天使な私がそんな事しないといけないのー?」
くそっ。こんメスブタがっ!
「なんなの、その反抗的な目は、私はいつでも戦っていいのよ」
ガタッ。ウシオが立ち上がる。
「止めろウシオ」
ウシオはブルブル震えながらも、なんとか自制して座る。顔、牛に戻ってるよ。
「まあ、いいわ。そこまで言うならカンチョーを恵んであげるわよ。出でよ。カンチョーマン」
エルエルが空き地の床を指す。そこから見えない筆で書いてるかのように光が走り魔方陣が描かかれる。完成した魔方陣が一際光り、一際光っただけだった。
「なに、グズグズしてるのよ。早く出て来なさいっ」
魔方陣からぬらーっと男が現れる。ピンクのブリーフにピンクの目出し帽。額には『浣腸』と書かれた金色のメダルが貼り付いている。
「ユアマジェスティしょうがないじゃないですか。これでも急いで着替えたんですよ」
あ、エビシ。
「お前も大変だなー」
「中間管理職であるからしょうがないのであるよ」
「グダグダ言ってると浄化するわよ」
「わかったであります。ほらスイカバスト。早くパンツ脱いで尻を突き出せ。手が滑ったとしても文句は受け付けないのであるよ」
「はぁ? 何言ってんだ、お前? 戦争だ! ぶっ殺す!」
一瞬訳がわからず、意味がわかった時には頭の中が真っ赤に染まった。エビシに生カンチョーくらってまで生き延びたいとは思わない。ゲス堕天使も変態吸血鬼も纏めて墓場に送ってやる!
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