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 天空の島


「ウゲッ!」


 頭に何か当たる。ポヨンとしたもの。


「マリーちゃん確保ーっ」


 首にシュルッと手が回されて僕は背中から抱き締められる。サリーだ。


「うわーーーーーーーーーー!」


 隣を黒いものが通り過ぎていく。あ、シェイドだ。


「グラビティ・ゼロだ!」


 シェイドに向かって叫ぶけど、彼女はかなり下で止まった。


「ねぇ、マリーちゃん。ウシオ君は?」


「わかんない。ウシオだから大丈夫だと思うけど」


 背中からサリーの温もりだけで重さは感じない。重力をカットしてるんだろう。まずはシェイドと合流するか。

 頭上には太陽。僕たちが飛び出してきた穴は空中でそこからじょうろで水をまくように水が噴き出していて空中で消えている。キラキラした水には虹がかかっている。綺麗だからしばらく観ときたいけど、ウシオが心配だ。速度調整しながらシェイドと合流する。


「シェイド、死ぬかと思ったのだ」


「あたしたちはこれくらい大丈夫でしょ。けどこれ、クラスメート連れてこなくて良かったわね。落下を克服しないとジエンドとかシャレにならないわ」


「さすがにそこまで難易度は高くないはず。精霊女王の事だから、なんらかの解決策は用意してるよ。ただ単に僕らがそれから外れただけで」


「そうよね。多分これは驚かすのが目的でしょうね。初見殺しはルール違反よね」


「まあ、ここにルールがあるかは置いとくにしても、どこに行けばいいんだ?」


「マリー、サリー、見るのだ。島、島があるのだ」


 シェイドが指した方に何かが見える。遠くて正確には見えないが、扁平した三角錐のような形で、上は緑で下は黒い。多分あれが僕らの次の目的地だろう。僕らはそこを目指す事にする。



「……対ドラゴン空中機動要塞パンデモニウム……」


 サリーが呟く。浮いてる僕らはサリーの風の魔法で進んでいる。


「え、ラピュタじゃないの?」


「まあ、空に浮いてる街って時点で似たようなものだけどあれはマリーちゃが知ってるものより、おぞましいものよ。前に空中都市っぽいもの見たあと、学園の禁書庫で調べたんだけど、あれは酷いもの。あのキラキラした下の部分、なんだと思う?」


 近づいて、徐々にその詳細が見えてきた。でっかいアポロチョコのような形で、上の緑はまんま植物に覆われてるっぽく、下はキラキラ光る黒色。あれが何かって? なんか頭の片隅に引っかかるけどわかんないなー。おぞましい黒い光るものと言えば。


「も、もしかして、Gの羽根を集めたのか?」


「そんな訳ないでしょ。だれがそんなもの作るのよ。あれは人工のものよ」


「わかんないなー」


「そりゃそうよね。あの黒いもの全部、黒竜の鱗を集めたものだそうよ」


 あ、思い出した。あのヌメヌメした黒さ。クソ親父が昔見せてくれた黒竜の鱗の色。まさか、あれ小さな城くらいの大きさあるよな。その基底部を覆う量って何匹、いや何千匹の黒竜を使ったんだ?


 

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