空へ
「おい、嘘だったらぶっ飛ばすぞ」
僕は軽くエビシをつつく。ジュッと煙が出る。なんかこの煙、線香みたいな臭いだな。お婆ちゃん家の臭いだ。
「別にぶっ飛ばすくらいはかまわんが、その前に脱いだがいいんじゃないのか?」
「なんで裸でぶっ飛ばさにゃあかんのだ。なんのプレイだよ」
「スイカバスト。お主はぶっ飛ばしたいんだろ? 若いおなごが飛ばすものと言ったら潮しかないだろ。うっ、潮って感じでな。まあ、水に入れば綺麗にはなるだろうが、水着が汚れるのはよろしくないだろう」
潮! コイツは下品な事を言わないと死んだりする病気にでもかかってるのだろうか? それに僕のウシオをこけにしやがって。成仏、成仏させてやる!
「ウシオ。やれ、こらしめてやれ」
「こらしめてやるより、小屋閉めてヤる方が望ましいのであるが」
まだ何か言ってやがる。
「かしこまりました。ご主人様」
ウシオがエビシの頭を握り吊り上げる。
「のー! のー! 脳がノーって言ってるざますー。締め付けるならもっと愛にあふれたもので締め付けて欲しいざますー。男は嫌ざますー」
なんなんだよ。その『ざます』って。サリーがぽんぽんと僕の肩をたたく。
「マリーちゃん、一々気にしてちゃダメよ。あれは多分そういう生き物なんだから。もう疲れたわ。さっさと次のエリアに行きましょ」
ちなみに今、僕らが立ってるのは島の奥の滝の前。十メートルくらいの滝があり、その滝壺の底の穴が次のエリアへの道らしい。そんなん分かるかよ。ノーヒントだったら多分見つけるのに数ヶ月かかるわ。
このエリアからは上に戻れるけど、協議の末、それよりさっさと最下層に向かう事を優先する事にした。もしものために、エビシに水中呼吸の魔法を施してもらい、僕らは滝壺に入っていく。海と違って水が冷たい。
先頭を進むのはウシオ。滝壺の底に真っ黒くぽっかりと穴が空いてる。なんとか人一人くぐれるくらいの大きさだ。洞窟とか根源的な恐怖を感じてしまう。入ったら詰まって抜けなくなるんじゃとか、それにとにかく黒い。サリーが光の球を出して穴に放り込む。うん、洞窟みたいだな。ゆっくりと水が中に流れ込んでる。ウシオが僕の方を向くと肯いて穴に飛び込む。ゆっくりと吸い込まれていく。さすがに女の子には格好いいとこ見せたいから、次は僕が飛び込む。最初はゆっくりだったけど、緩やかに加速しながらサリーの光から遠ざかり、暗いし狭いしいつまで続くんだ? と思ったら空中に投げ出された。多分空中、青い中何も無い。
「グラビティ・ゼロ」
落下してるから取り敢えずそれを止める。ウシオはどこだ? 何も無いのか?
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