魔法薬
久々に短編書きました。題名は『【陰キャと王子】振られて傷心の男の子が女心を学ぶために女装してメイドカフェで働きます。そこで一目惚れした超絶美少女はなんと……』です。下にリンク張ってますのでよかったら見に来て下さい。
https://ncode.syosetu.com/n1116ir/
「グラビティ・ゼロ!」
僕はウシオに背負われてスキルを発動する。僕らの重量は今はゼロだ。ウシオは苦労する事無く崖を登っていく。
「見てたわよ。さすがね。羽根十分にあるわね」
崖を登った僕らにハーフエルフが近づいて来てバスケットを覗き込む。ウシオの背中から降りてそれを渡す。
「マリーちゃん!」
「マリー!」
川を遡ってるとサリーとシェイドもやって来た。
「反対方向に行ってたわ」
やっぱりサリーは上流に行ってたみたいだ。
「大丈夫? エルエルに酷い目に合わされなかった?」
僕らはあらましを説明する。
「やっぱり、マリーちゃんと離れちゃダメね。たまたま上手くいったから良かったけど、エルエルは危険ね」
普通の敵なら問題無いが、エルエルは元死王。ウシオが居たのに僕はエルエルと下手したら戦う羽目になってたかもしれない。ここでは死なないと言ってもお金が無くなるのは痛い。
「少し気になるんだけど、その大天使の羽根でなんの薬が出来るんだ?」
僕はハーフエルフに問いかける。
「色々作れるわよ。燻したら虫除けになるし、煎じて飲んだら虫下しになるわ。けど、一番凄いのは水虫やタムシの特効薬になるのよ。やっぱりどうしても冒険者って足が蒸れやすいじゃない。だから水虫に苦しんでる人が多いのよ。だから良い値段で売れるわ」
まじかよ。エルエルが聞いたら泣くぞ。水虫タムシの特効薬に自分の羽根がなるって聞いたら。そして、下らない雑談などしながら僕らは村に戻りハーフエルフの雑貨店に帰って来た。そして、このエリアから先に進むためのマップを目出度く手に入れた。それは方位磁石みたいなもので、ある一定の方向を示している。村のムラムラの呪いが怖いので、雑貨店をそそくさと後にしてマップが指す方向へと進む。進んでておかしな事に気付く。針が動いている。確か前に来た時は出口は動かなかったのにどういう事だろうか? まあ、行ってみたらわかるか。
「あれが階段なのか?」
つい疑問を口にする。
「そうみたいね」
サリーが答えてくれる。
僕たちの目の前には大きな木の化け物がいる。根っこが2つに分かれていて元気に走っている。マップが指してるのは間違いなくあれだ。サリーとシェイドは走ってて、ぼくは走るウシオの背中の上だ。確かあの魔物はトレントとか言うやつだ。木には爺さんみたいな顔がついてて、やたら口がでっかい。あそこに降りる階段があるのだろう。これ、マップもってなかったら絶対先に進めないだろう。出口が動いてるのは反則だろう。しかも走ってるトレントの口に入るって難易度高いなー。
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