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 大天使


「ちょっと待て、その大天使って少し堕天してる奴でも問題ないのか?」


 アイツは多分大天使だけど、間違いなく堕天している。所々羽根の先っちょが黒かったもんな。先っちょが黒いってなんかエロいな。


「さぁ、初めて作る秘薬だから分からないわ。真っ白だったら問題無いと思う。少しくらい黒くても違う秘薬がつくれるかもしれないから問題ないわ」


 ハーフエルフが答える。適当だなぁ。


「ところで、大天使と天使の違いって何だ?」


 そこんとこ大事だ。僕には区別がつかん。


「んー、確か羽根が2対以上あるのが大天使って本には書いてあったわ」


 じゃあ、エルエルの羽根で問題無いだろう。けど、森の奥の泉で水浴びって動物かよ。風呂入れよ。


「それで、羽根何枚でマップと替えてくれるの?」


 僕の影からサリーが飛び出して会話に入ってくる。


「あっ。美巨乳のお姉さん。どっから出て来たの? また、おっぱい見せたくなったの?」


「人を痴女みたく言わないで。あれは事故よ事故。で、何枚持ってきたらいいの?」


「そうね、あんたたち2人のモミモミつきで10枚かしら」


 ん、さっき1枚って言ったよな? 軽く増えてやがる。


「そのモミモミ付きってどうにかならないのか?」


 あれは勘弁して欲しい。くすぐったすぎる。


「じゃ、モミモミ無しだったら50枚ね!」


 50枚も羽根を手に入れるためには、エルエルを無力化して毟るしかないか。それは無理だ。しょうがない揉まれてやるしか無いか……


「で、サリー何で出てきたんだ?」


「そりゃ、マリーちゃんにこの仕事させる訳にはいかないでしょ。エルエル、多分マリーちゃん見たらブチ切れるわよ。それに、水浴びって事は多分裸でしょ。ダメでーす!」


 ま、そりゃそうだな。女性の裸みたら間違いなく鼻血ブーからの昏睡間違い無しだ。そこんとこ全く成長しない。

 サリーはハーフエルフに泉の場所を聞くと店から出て行った。シェイドも一緒だ。2人集まるとほぼ無敵だけど、大丈夫なのか? 少し心配だ。


 それからしばらくハーフエルフと雑談しながら時間を潰したが、サリーは帰って来ない。まあ、そんなに都合良くエルエルが水浴びに来る訳ないから、そこそこに時間はかかる事だろう。


「やっぱり無理だったんじゃないの?」


 ハーフエルフが不穏な事を言う。やっぱ待つのは性に合わない。


「お前、店閉めて、案内しろ」


「お客さん来るかもしれないじゃない」


「さっきから誰も来ないけど」


「そうね。今冒険者日照りだから、店開けててもお客さん来ないかもね。面白そうだから案内してあげるわ」


 店にクローズの看板をかけて、僕たちは森の奥の泉に向かう。



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