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 忘却


「けど、ご主人様、何かまだ気にかかる事があるご様子」


 ウシオが僕の目を見据える。


「そうなんだよ。僕は間違いなく、前の世界で死んで、その記憶を持ってこの世界に生まれた。前の世界で体験した事は覚えているのに、自分自身の事があやふやなんだよ。なんでだろう?」


「そう言えば、人間ってとっても辛い経験をしたら、その記憶を心の奥底に封印してしまうって聞いた事があるわ」


 サリーは顔を僕に近づけてくる。僕もそういう話は聞いた事がある。けど、なんかそんなのじゃない。自分自身について覚えているのは、綺羅という男だったという事と、緑色の髪の美少女を助けて死んだって事。それと、その美少女の魔法で転生して、その時に境目の神の神晶を宿したという事。辛い経験をしたような感じじゃない。


「そうじゃ無さそうだ。辛い事を忘れたんじゃなくて、思い出せないだけだと思う。なんて言うか、転生して16年も経ってるから思い出せないんだと思う」


「それなら、その思い出すのって、精霊女王に頼めばいいんじゃないか? 最下層にたどり着いたらなんか願いを叶えてくれるんだろ?」


 シェイドも僕に顔を近づけてくる。


「それ、いいアイデアだな。けど、精霊女王ってそんな事出来るのか?」


「トータル・リコールって言う魔法を昔聞いた事があるわ。生まれてからの記憶を自由に思い出せる魔法。精霊女王は稀代の魔道士。多分その魔法が使えるんじゃ? 使えないにしても何らかの情報は持ってるんじゃないかしら?」


 さすがサリー魔法オタク。僕の予想では精霊女王は母さんと同一人物。母さんの非常識さからしてその「トータル・リコール」の魔法は使えるはず。それなら母さんにおねだりしたら何とかしてくれるのでは? けど、それなら何で今まで僕にその魔法を使わなかったのだろう? あ、そっか、転生した事も記憶がボケてる事も母さんに話した事は一度も無いや。


「という事で、最下層まで向かう事は決定ですね。ですが、このエリアを抜けるためのマップを誰も持って無いですね」


 ウシオは腕を組んで目を瞑っている。前にここにウシオは僕たちより長くいたから色々思い出してるんだろう。

 確かここのマップは方位磁石みたいなもの。水晶球に針が入ってるやつで、出口を指し示してくれるものだ。前はシスターリナが持ってたけど、リナは今は王都だ。


「じゃ、情報収集にあの村に行くしか無いか。僕は前回呪いは効かなかったから、みんなはここで待っとけば大丈夫かな」


「私も何度か来たから大丈夫だと思います」


 僕をシェイドの部屋のホストにして、サリーとシェイドは部屋でお留守番。僕とウシオは手を繋いでムラムラの村へと向かう。

 


 読んでいただきありがとうございます。


 この作品は、他サイトのノベルピアさんで三話分先行配信させていただいてます。


 あちらではプラス登録という契約をしてますので、ログインしていただかないと最新話は読めないのですが、登録無料ですのでぜひお手数ですがログインお願いします。


 下のマリーちゃんの表紙絵が私の作品の目印ですっ!(´▽`)ノ


挿絵(By みてみん)


 あと、下にノベルピアさんへのリンク貼ってますので、ぜひ来てくださーい! よろしくお願いしますm(_ _)m


https://novelpia.jp/novel/2067


 

 最後に、みやびからのお願いです。「面白かった」「続きが気になる」などと思っていただけたら、広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、ブックマークの登録をお願いします。


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