堕天した堕天使
「10分以内にタッチしたから。僕らの勝ちだな」
「この世に生まれて幾星霜。これほどの侮辱は生まれて初めて。殺す。絶対殺す」
僕の言葉に地面にくの字で横たわっているエルエルが答える。
「すまん、すまん。あれは事故だって。僕だって骨折れてメッチャ痛かったから痛み分けだろ」
「事故でカンチョーする人間がどこの世界にいるのよ。危なかった。あと少しで何か出るところだった……」
見た目は可憐な天使なだけに残念なセリフだ。敢えてこれ以上はツッコむまい。
「あんたたち、馬鹿なんじゃないの? 食らう方も食らう方だし、指の骨折る方も折る方よ下手したら刺さって抜けなくなってたわよ」
サリーの言葉に少し背筋が寒くなる。刺さって抜けなくなる。地獄絵図だ。
「今回は、あなたたちの勝ちということにしとくわ。奥の扉は開いているから、さっさとここから出ていって。私は下の層の守護も任されてるから、そこであなた達を絶対、絶対、絶対、絶対にぶっ殺してやるわ! 覚えときなさい!」
なんか、エルエルが言ってるが、寝っ転がって虫の息でそんな事言っても怖くもなんともない。弱った時に叩く。それは自然の摂理だ。
「エルエル、うんこ漏らすなよ」
僕は扉に向かう。
「次は鉄のパンツでも穿いとくのね」
サリーも一言残す。
「下の階でも返り討ちにしてやるよ」
ウシオは真面目だな。
「元気でな、カンチョー堕天使」
シェイドも、軽く挑発する。
「気が変わったわ! お前たち全員ここでぶっ殺す!」
何がエルエルの心に刺さったりか分からないけど、奴はお尻を押さえながら立ち上がる。
「バーカ! バーカ!」
僕は軽く挑発して走り出す。奴はフラフラでロクに動けなかったので、僕らは問題なく部屋から逃げ出せた。
そして、中央にらせん階段がある部屋に入り、その階段を降りていく。白い壁に白い階段。なんか夢の中みたいだ。降りても降りても続く。こんなに長かっただろうか? そして木で出来た扉に突き当たり開けて出ると、そこは森林だった。
「ここ、いい想い出無いのよね」
サリーが若干顔をしかめている。そりゃそうだよな。前にこのエリアの村に来た時、サリーとアルスの妹のシスターリナは、どっちが優れたおっぱいを持ってるかで勝負したんだよな。
「どうする、村、スルーするか?」
僕は立ち止まってみんなに問う。
「確かあの村ってムラムラする村なんだよな」
シェイドの言葉に固まる僕たち。頭の端で少しはそう思っていたけど、口に出来なかった言葉だ。このエリアのその村には欲望を増幅する呪いみたいなのがあるんだよな。けど、ディスペルマジック使い続けたら大丈夫だろう。
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