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 フロアボス


「と言う訳で、クラスメイトは全員修行して貰うとして、誰をトレーナーにするかだよな。一ヶ月で人を魔改造出来る方法って何か無いか?」


 修練の間にクラスメイトをぶち込む前に、どうやって鍛えるかの緊急会議なうだ。場所はシェイドの部屋のリビング。メンバーは僕、サリー、アナ、ウシオ、ベル、アルスだ。孤児院の子供達は、どうやら謎の黒騎士(多分、クソ親父)に鍛えて貰ったみたいだが、謎の黒騎士の噂は聞かないし、クソ親父には死んでも会いたくない。多分、乱闘になる。


「はい、まずは、このあと下の階へ行く訳でしょ」


 サリーが手を挙げる。


「そのメンバーを考えると、マリーちゃん、ウシオ君、あたし、シェイドは確定でしょ、そしたら残りのベルとアナとアルスで鍛えるって事でいいんじゃない?」


「ちょっと待てよ」


 次はアルスが口を開く。


「ベルをトレーナーにしたら、変な魔法しか使えない奴ばっかになるぞ。ディスインテグレイト、グラトニー、アンブロシア、シャドーサーバント。並べてみても悪質な嫌がらせしか出来ない魔法しかコイツ使えないぞ」


 確かにそうだ。地獄な未来しか思い浮かばない。


「失礼かしら。ベルは一通り普通の魔法だって使えるけど、ディスインテグレイトやグラトニーが重いから他の魔法をストック出来ないだけかしら。それらの高等魔法を外しとけば全属性の魔法を使えるかしら」


 ん、初耳た。それなら、普通の魔法を使えばいいのに。


「じゃ、振り分けはさっきのでいい?」


 サリーの言葉に異議を唱える者は居ない。


 そして、みんなで一旦修練の間まで行く事にする。シェイドの部屋のホストになって貰ったウシオがクラスの男子共を引き連れて行く。そして、パペットマンに説明しお金を払って、男子共を扉にぶち込み、次はシェイドの部屋から女子を出して扉に誘導する。


「戦闘は私に任せろ」


 アナが扉をくぐる。


「根性は俺に任せろ」


 アルスも行く。


「あと魔法はベル先生に任せとくのかしら」


 そして、ベルも扉に入る。ちなみにベルには出来るだけお金を渡しているから、クラスのみんなもそんなに苦労はしないはずだ。だけど、ベルだもんな。


 そして、僕たちはウシオを先頭にフロアボスの部屋へと向かう。途中何度かモンスターとエンカウントしたが、ウシオの斧で一撃だ。なんか気合いの入り方が違う。僕たちのパーティー編成は、ウシオが戦士、サリーが武闘魔法使い、シェイドは物まね士魔法使い、そして僕が聖女。かなり攻守のバランスが良いんじゃ無いだろうか。そんな事考えながら進んで行く。

 

 読んでいただいてありがとうございます。


 この作品は、他サイトのノベルピアさんで三話分先行配信させていただいてます。


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挿絵(By みてみん)


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