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 黒ベルはラベンダーの香り


「ディスペル!」


 サリーの魔法消去の呪文が炸裂し金ベルの姿が薄れ始める。いかん来るぞ。けど、これはまずい、丁度場所がケリーが入った個室の前だ!


 カッ!


 金ベルから白い光が溢れる。あれは分子分解の光! サリーは床を蹴って後方宙返りで難を逃れる。そして、白い粉が舞い、黒ベルがいた所から半径1メートルくらいが丸く抉れる。ケリーの前の扉も綺麗に丸く空いている。


「ふぇええええええーっ!」


 ケリーの泣きそうな声がする。洋式便器にちょこんと座って片手で胸をもう片手でお股を隠しているケリーをばっちり見てしまった。うん、可愛いな。人が用を足してる所を初めて見た。なんか新たな気持ちが芽生えそうだが、それを全力で払いのける。それは高レベルの変態へと続く道だ。僕はケリーに背を向ける。


『可哀想だから、「フレグランス!」』


 微かに黒ベルの声がして、辺りはラベンダーの香りに包まれた。最後の力を振り絞ってくれたんだろう。これはトイレの芳香剤の匂いだ。ベルの新魔法か? なんの優しさだ。


 カラカラカラッ、ゴボボボボボボッ。


 ペーパーを巻き取る音と、流す音。ようやく終わったか。不毛極まりない時間が。



「うう、僕、お嫁に行けないよ」

  

 悲しそうなケリーの声。


「大丈夫よ。ここには女の子しか居ないでしょ。多分」


 おい、サリー、多分は不要だろう。


「で、どうするのか?」


 僕はみんなに尋ねる。ケリーをどうにかしないと。


 外にいたウシオのブレザーをスカート代わりに、エリーがブラウスを、サリーがブレザーを貸してなんとかケリーは見られる姿になった。


「お金が増えてますわ。あと、なんか体が軽くなったような?」

  

 エリーの言葉にカードを見ると、確かに一万円程増えている。体が軽くはなってないな。


「どうやら、黒ベルは魔物認定みたいね。倒してお金と経験値がパーティーで振り分けられたみたいね」  


 なんか黒ベルが可哀想だが、お金と経験値はありがたい。けどそれよりも……


 トイレを出ると座ってたパペットマンが立ち上がる。


「こりゃー、派手にやりやがったな。壁の汚れ掃除で5万円、床は15万円だな。壁はそうだな5万円。合わせて25万円の所を24万円にまけてやる。1人頭6万円だな」


 まあ、ほとんどサリーの仕業だけど、パーティーだもんな。ウシオからをお金を借りてなんとか所持金マイナスを免れる。そして10個程、トイレのマップを作る。多分僕はシェイドの部屋のトイレしか使わないがな。


「しばらく、修理に時間がかかると思うが、使えないわけじゃないから、また待ってるぜ」


 パペットマンが僕らに手を振っている。


「あと、トイレ使った姉ちゃん。親切心で言っとくが、もう少したんぱく質を取った方がいい。まだ成長期だからな」


「え、ボク? なんで? どうして?」


「排泄物の色が薄過ぎる。炭水化物ばっか食べ過ぎだ。俺にかかったら臭いと色で何を食べたかほぼ解る」


 ケリーの顔がまっ赤になる。


「おい、お前、女の子に対してデリカシーなさ過ぎだろ。次、変な事言ったらスクラップにしてやるぞ!」


「マリー様、これも俺お仕事だ。ここの利用金額には使用者のヘルスケアも含まれてるんだ。糖尿病とか一発で分かるぜ」


 ううん、何とも言えない。確かに病気の早期発見に繋がるなら悪くないしな。


「じゃ、今後は希望者にだけ伝えるんだな」


 そして、僕らはトイレを後にして、とりあえず収納部屋に戻る事にした。





 読んで頂いてありがとうございます。


 今作品は、他サイトのノベルピアさんで三話分先行配信させていただいてます。


 あちらではプラス登録という契約をしてますので、ログインしていただかないと最新話は読めないのですが、無料ですのでぜひお手数ですがログインお願いします。


 下のマリーちゃんの表紙絵が私の作品の目印ですっ!(´▽`)ノ


挿絵(By みてみん)


 あと、下にノベルピアさんへのリンク貼ってますので、ぜひ来てくださーい! よろしくお願いしますm(_ _)m


https://novelpia.jp/novel/2067


 

 最後に、みやびからのお願いです。「面白かった」「続きが気になる」などと思っていただけたら、広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、ブックマークの登録をお願いします。


 とっても執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。

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