空中戦
「はああああーっ!」
サリーは構えて黒ベルに近づく。
「食らえ! ディスペル!」
サリーの伸ばした手が黒ベルに迫る。その手には魔法消去の白い光を宿している。
『フルポテンシャル!』
黒ベルの黒い体が黄金色に光る。奴はいつの間にサリーの潜在能力解放の魔法を使えるようになったんだ!
金色の残像を残して、黒ベルはしゃがみこみながらトイレの床を転がる。明らかに動きが良くなった。そして、サリーから距離を取る。
『ゴールデン・フィンガー!』
なにっ! なんだとっ! 黒ベルもこのクソ魔法を使えるのか?
「サリー、気をつけろ。その魔法は危険だっ!」
黒ベルは両手を合わせて握りしめ人差し指だけを伸ばす。俗に言うカンチョーの構えだ。それをゆっくりと頭上に掲げる。そして、人差し指の先が眩いばかりに黄金色に光る。黒ベルはもはや黒ベルでは無い。全身から黄金の光を放ち、更に指先から激しい光を放っている。金ベル。金ベルだ!
「サリー気をつけろ、金ベルの指先はあらゆるものを貫く程硬くなってるぞ!」
「もしかして、あれって、モミさんが使ったっていう魔法?」
「そうだ! 気をつけろ!」
なんか、さっきからゴッソリと僕のマナが吸い取られている。もしかして、黒ベルいや金ベルが使う魔法って僕からマナを吸い取ってるのか? 止めて欲しい。キラに戻れない。
『どっせいやーっ!』
気合いを入れた金ベルの姿が搔き消える。その次の瞬間にはサリーの後ろに回っていて下からサリーを突き上げる。スカートを翻しサリーはかわし、金ベルは跳び上がる。
ドゴン!
金ベルの両手が天井に埋まっている。ヤバっあの威力ヤバすぎだろ。食らったら一撃で再起不能。下手したら死んじまうんじゃないか?
「あいつ、ハンパ無いわね。けど、ばっかじゃないの? 死ねっ! ディスペルっ!」
サリーが地を蹴って右手に魔力を込めて、天井に両手を突っ込みバタバタしてる金ベルに迫る。終わったかな?
『シャーッ!』
黒ベルは逆上がりみたいに反転し、天井を蹴って逃れる。無駄に身体能力高いな。そして弾丸のように下降し、床を蹴ってサリーに迫る。形勢逆転だ。跳び上がったサリーは咄嗟に動けない。金ベルの魔手がサリーのスカートの中に伸びる。
「グラビティ・ゼロ!」
サリーの声が響く。そうか、その手があったか! サリーは自身にかかる全重力をカットしたのだろう。まるで羽毛のように浮くサリーのお尻に金ベルの手が刺さるが、サリーはフワッと浮き上がると宙返りして、金ベルの指先を両手で握る。
「やっと捕まえたっ」
サリーは猛獣のような笑みを浮かべ、2人はそのまま地上に降りる。
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