仁義なき戦い!
『アンブロシア……』
黒ベルは呟くと、振り上げた手を振り下ろす。
ヒュン!
何かが風を切りサリーに迫り、それをサリーは首を動かしてかわす。
ビチョッ!
それは壁に当たってきったねー音をたてて床に落ちる。ゲッ、あれ掃除しないと罰金なんじゃ?
「え、うんこ?」
ブツを見てエリーが呟く。
「ひっ、ひどいーっ! ボクはうんこなんかしてないよー!」
個室からケリーの悲しそうな声がする。
「ケリー、違う違うお前の事じゃない。安心して用を足せ。エリー、あれはうんこじゃない。ベルが出す魔法の食べ物だ!」
「ベ、ベル先生の、う、うんこが魔法の食べ物?!」
エリーは目を白黒させている。あかん、通じとらんわ……今後はアンブロシアが食べ物って言うのを止めよう。今まで100%誤解されてる。
「おい、エリー、しっかり話を聞け」
「大丈夫よ、それ以上言わなくても分かりますわ。かなりショックだったけど。確かに、昔、パパに聞いた事があるわ。そういう性癖の人がいるって……衝撃的ではあるけど。マリーさん、私たちはこれからも友達ですよ……」
エリーは僕をハイライトが消えた汚い物を見るような目で見て、目を逸らす。これって絶対内心では友達止めます宣言だよね。
「もう、思い込みが激しい娘ね。それより、まだくるわよ。こんな時にモモがいれば」
サリーはモモさんがいればどうするつもりなんだろう? モモさんは僕たちの中で唯一アンブロシアを口にしている。食わせる気なのか? ここに本人いたら大激怒だぞ。
『これは、魔法の食べ物』
黒ベルはそう言うと、右手を後ろに回しスカートの中に手を入れてからアンブロシアをサリー目がけて投げつける。誤解を広げる演技は止めてほしいものだ。間違いなくあいつ、こういう所だけ僕たちの会話理解してるよね?
「猿? 動物園の猿みたいですわ」
エリーが黒ベルを指差す。そう、確かに動物園の猿は人がキャーキャー言うのを楽しんでうんこ投げてきたりするよな。けど、変態魔法を使ってこない分猿の方がまだマシだ。
「急いでケリつけないと、被害が広がるわ。けど、どうしよう。あいつ消滅させたら、周りの物を分解するのよね」
サリーはひょいひょいアンブロシアをかわす。さすが腐っても黄金認識票の冒険者。
「あの、サリーが引きつけてどっかに連れてくってのは?」
「却下でーす。サリーはマリーちゃんと離れたくありませーん」
「じゃどうすんだよ?」
「消滅させて、離脱する! トイレの修理費は諦めましょう」
「待てよサリー」
僕の制止虚しく、サリーは黒ベルに駆け寄る。
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下のマリーちゃんの表紙絵が私の作品の目印ですっ!(´▽`)ノ
ちなみにこのマリーちゃんはアルゴノートの迷宮脱出後です。
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