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 第四十四話 決着


「戦闘中に私を見てそんな行為を……」


 アナは凝視していた僕の股間から目を背ける。


「度し難い変態だな! どうしてでもその両手の中身を拝んでやる!」


 全くぶれない奴だ。


 ああ、エルフの居ない世界に行きたい。




戦神降臨アレスフォーム!!」


 アナは叫ぶと金色に光輝きだした。これ、そういえばタイタンの時に見たぞ。


「私の最終兵器! 文字通り奥の手だ!! 闘気を溜めて異界の戦いの神を我が身に宿す。戦闘能力は飛躍的に上がるが、その後しばらく動けなくなるのが難点だ!!」


 きっちり説明してくれる。要は自慢したいのだろう。


 中二か!


 けど、この後こいつどうするつもりなのか?


 動けなくなるのだろう?


 ばかなのか?


 いやばかだ!


 さすがエルフの血を引く者!


「くらえ!」


 箒が僕に襲いかかる。変幻自在にいくつもに別れる。直撃は避けたが何発もいいのをもらい、僕は膝をつく。


 しかも、際どく透けた彼女の胸が攻撃に合わせてぷるぷる揺れるのが目に入ったおかげで、鼻血は止めどなく溢れグングニルの覚醒は静まらない。


 ほんとにやばい、これはもう終わったかも。けど、諦めてたまるか!


 考えろ!


 いま自分に何が出来るか?


「立て! 次で終わらせてやる!!」


 僕は頷き、立ち上がる。


 だが、今は、喋ることが出来ない。


「最終奥義! ハンドレッド・アタック!」


 アナの突きだした箒が数えきれない程無数に別れ僕に襲いかかる!


 まだだ! 引きつけろ!


 まだだ!


 まだだ!


 危ない! あたる!!


 今だ!!!


 ブブブブーーーッ!!!


 渾身のカウンターだ!


 僕は口に含んだ鼻血を毒霧にしてアナ目がけて吹きかける。


 今までを鑑みるに、こいつは、下品だけど耳年増な潔癖症なはず。


 アナは、引き攣った顔で反応し、大きく後ずさる。


 このタイミングで避ける事は予測ずみ。


 だけど無駄に逃げすぎだ!


「アクセル・テン! グラビィティ・ゼロ!!」


 僕は両手を広げ、跳び上がる!


 彼女には何が起こってるか解らないはず。


 勝った!


「逃ーがーさーんーー!!」


 ガシッ!!


 なにかに両足を捕えられる!


 なにっ!!


 アナが渾身のジャンプで跳んで来た!


 僕は地面に引き戻される。


「キャアアアアアアアッ!!!」


 アナが可愛い声で叫ぶ。


 今僕らは、体は触れ合ってはいないが、ちょうど、逆肩車のような体勢だ。ちょうど彼女の目の前にはグングニルがある。

 僕の重力操作は、触れたものにも効果を及ぼす。さすがにこの高さから落ちたらアナも無事ではすまされまい。やむなく、足で彼女を支え緩やかに落下する。


「キャアアアアアアアッ! つく! つく! 顔についちゃうわ!」


 アナの話方が女の子っぽくなっている。おいおい動揺し過ぎだろ。


 アナの吐息が、グングニルにかかる。



 ピトッ!



「キャアアアアアアアアアアアアアアアッ!もう、だめー!……………………おいなりさん………」


 彼女は動かなくなった。まさかおいなさんでスリープタッチを放つ事になろうとは……


 少女二人を僕のグングニルは打ち倒した。


 いくらなんでもこれはおかしい。なんか変なスキルをいつの間にか獲得してるのではないだろうか?


 満身創痍だが、なんとか黄金認識票の三人を倒した。もっとも倒したかったのは、『セイクリッド・マローダー』の三人だが。


 僕は今は勝利の喜びを噛み締めてしばらく佇んだ。


  第一章 『竜戦士から聖女へ』 完


 とりあえず第一章完結です。キリがいいとこですので、よろしければ、評価がいただけると幸いです。


 読んでいただきありがとうございます。



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