最弱の魔物
「ここって、迷宮都市の一応都市部でしょ。なのに魔物も出るのね。酷い街ね。スラム以下だわスライムだけに」
サリーが面白くない駄洒落? を言いながらスライムに近づいている。
シュン!
風を切る音がした?
「はぶっ……」
サリーが変な声を出したと思った時には、その首から上が消えていた。
「サ、サリー!」
僕はサリーに駆け寄るが、その体が透き通って消えてしまった。何、何が起こったんだ? 回復魔法を使う暇すら無かった。も、もしかしてサリー、死んだ……
思考が追いつかないうちに目の前のスライムがポヨンと跳ねる。嫌な予感がして右に移動すると、左肩に焼けるような熱さを感じる。見ると左肩から先が無い! 驚く間もなく全身に痛みが! 着地したスライムから伸びた無数の刺が僕を貫いている。見えたのはそこまでだった……
~ターリーラーリーラーラーラー♪~
頭の中に流れる電子音。ん、某国民的ロールプレイングゲームで神父さんが死んだ仲間を生き返らせてくれる時に流れる曲を少しいじったような曲だ。
「おお、マリーよ。死んでしまうとは情けない」
僕は気がついて身を起こす。なんだこりゃ? 棺桶? 目の前には神父さんがいる。さっきのセリフ、パクりだよな。神父さんは見覚えがある奴だ。ヴァンパイアロード・エビシ。骸骨城にいた吸血鬼の王女ロザリンドの部下の変態吸血鬼だ。迷宮都市のどっかに住み着いたって話だったけど、何してんだ? そしてその横にはサリーが立っている。
「なんだお前? こんな所で何やってるんだ?」
「私は、あなたとは初対面です。ここは教会で私は敬虔な神父です」
「嘘をつけ! グラビティ・ゼロッ!」
僕にかかる重力をカットしての超加速からの鼻フック。こいつはハリウッド系のイケメンで鼻が高いから狙い放題だ。
「ふごっ、なにひやばる。やめろ、やめろ。鼻が燃える燃える!」
なんかネチョッとしたし、エビシの鼻から煙が出てきたので勘弁してやる。イケメンなのに、鼻から煙草の煙を吐くデリカシーないオッサンみたいだ。コイツらアンデッドは僕から放たれる聖気というものを浴びるとダメージをくらうそうだ。弱い生き物だ。
「何しやがる。スイカ乳。相変わらず凶暴な奴だ。あと少しで鼻の穴が1つになる所だったじゃないか」
エビシは鼻を押さえている。まだ出てるよ煙。
「つまんねー事してるからだ。こちとら気が立ってるから聞かれた事に答えろ。で、何してんだ?」
「まあ、待て待て、急いては事をし損じると言うだろう。見てみろ。お仲間が現れたぞ」
いつの間にか僕が入っていた棺桶は消えていて、新たな蓋してある棺桶が2つ現れる。
「うわぁぁぁぁあーっ!」
蓋が開いてケリーが跳ね起きる。
「助けてーっ!」
次はエリーが身を起こす。
「ここは教会。この迷宮で命を落とした者が蘇る所だ。まあ、お金があったらの話だがな」
腕を組んでエビシがふてぶてしく言う。生意気な。もう一発ヤキ入れたるか?
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