ブレスレット
「ちょっと、その死んでも生き返れるってどんな仕組みな訳?」
まずは、サリーが疑問を口にする。そうだよな。復活の魔法なんてこの世界でも伝説だ。
「そうですね。まずは、この私達がいる迷宮都市ですが、ここはサリーさんたちがいる世界とはまた違う世界です。精霊女王様の魔力によって生み出された世界に、迷宮都市が入って融合したようなものです。ですからここでの因果律は他とは違います。サリーさんは死んでも生き返れるって言われましたけど、正確には腕輪をつけた状態で死んだら、セーブポイントに行った時の状態に戻るというのが正解です。まあ、私にはその魔道理論は分からないんですけど」
「けど、それが本当か試さないと不安だわ」
そう言ってサリーはケリーとエリーを見る。
「えっ、サリーさん私で試そうって思ってないですか?」
エリーがきょどる。
「おい、サリーがそんな事する訳がないじゃないか」
多分そうだと信じたい。
「サリーさん、私は何度か体験してますから、私を信じていただけないでしょうか? まあ、けど、サリーさんとマリーさんがいて死ぬ危険に陥る事はほぼ無いでしょうけど」
「そうね。もしもの保険って思っとけばいいわね、まあ、ケリーとエリーは使う事になりそうだけど」
「ええーっ。勘弁してよ」
「サリーさん、守ってくださいよ」
「冗談よ。冗談」
サリーが言うと冗談に聞こえない。
バタン。
登録所の扉が開く。
「ご主人様、お待たせしました」
ウシオパーティーだ。ウシオはめっちゃジャンケンが弱く、引き連れてるのはキモい奴ばかりだ。むぅ、ウシオにはキモいという感情が無さそうだしな。
「後ろつかえてるから、さっさと登録しちゃいましょうか? 分かんない事あったら後で聞きましょ」
「他にも職員いるんですけど、ウシオさんには私が説明したいな。では、これに1人1人手を触れてください」
メイさんはカウンターの下から手形がついたタブレットみたいなのを出す。まず僕がそれに手を乗せると、手には腕輪がはまっていた。順番に僕たちは手を乗せていく。
「カードっていったらブレスレットからカードが出てきます。そのカードは冒険者ギルドのランクと同じ色です。あと、当然お金もカードに入れますよね」
僕たちは所持金をメイさんに渡す。貯金は収納の中とシェイドの部屋にあるとサリーは言ってるので取りに行かないとな。
「収納の中のお金も死んだら取り上げられるの?」
サリーが問いかける。
「はい、当然です。それがここでのルールですから」
じゃもしもの時のために取ってこないとな。
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