迷宮都市への門番
「マリー様。そんなのでは百年たっても私に触れる事さえできないですよ」
パペットマン4号が僕を見下ろしている。僕は床に大の字で寝っ転がってる。もう息が上がって動けない。
パペットマン4号はあの後僕の収納の部屋に新たな扉を作り、そこをくぐると、まるで西洋の寺院の中のような大理石の柱が立ち並ぶ大部屋だった。ドーム状で先には装飾華美な扉がある。そこから迷宮都市に行けるそうだが、パペットマン4号を倒さないとその扉はくぐれないそうだ。
教室に一旦戻ってクラスメイトにその旨を伝え、みんなでゾロゾロとパペットマンを倒すためにやって来た。そして、僕は一番乗りで挑んだけどこの体たらくだ。因みにスカートは補修している。
「余興はこれくらいにして、折角皆様が集まったので、不肖このパペットマン4号がこの先の迷宮都市について説明させていただこうと思います」
くっそー、僕との全力のバトルを余興扱いするなよ。それなら先に説明しろよ。
「ちょっと待てよ。迷宮都市なんか行かねーし」
「早く家に帰りたい」
「腹減った」
なんかみんな思い思いに口を開く。そうだよな。みんな訳分かんないだろうな。
「はーい。みんなよく聞いて」
ベルがみんなの前に立つ。
「ここから出る方法は、迷宮都市を抜けるしかないわ。みんなで協力して折角だからここで授業の代わりに修行して貰うかしら」
「嫌だよ。そんな事しねーよ」
誰か男子が口を開く。
「別にしなくてもいいけど、食料、トイレ、お風呂も迷宮都市にはあるわ。ここから先に進まないと、あんまり良い待遇は望めないと思うわよ」
ベルの言葉に皆口をつぐむ。
「それでは説明を再開します」
4号のキンキン声が響く。
「この先の迷宮都市にはかなり強い魔物が存在します。けど、安心して下さい。迷宮都市で冒険者登録すると、死んでも所持金が半額になるだけで、セーブポイントからリスタートする事が出来ます。けど、ここで冒険者登録するためにはある程度の強さを必要としています。そうしないと死にまくられるだけですからね。ですからそうですね。私を倒すのは難しいので、別にソロじゃなくてもいいので、4人までのパーティーでの挑戦を認めます。では挑戦する方は私に申し出て下さい」
そう言うと、4号は動かなくなった。今奇襲したらやれるのではと思うが、迷宮都市で生き抜く力試しが目的なので、それは無意味だ。
「そうね、では、今ここにいる者の強さを試した方がいいわね。ここで戦闘能力が高いのは、ベルと、ウシオと、アルスとアナとサリーかしら。この5人をリーダーにパーティーを組むわよ」
「おい、僕は?」
「マリーは乳がデカいだけのヒーラーだから雑魚よ雑魚」
くっそー。僕がマリーじゃなくてキラだったら……
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