ここはどこ?
「やったーっ! 穴をでっかく出来たぞーーーっ!」
目を瞑ったままガッツポーズする僕。けど、どっちに出たんだ? 教室? 収納の中? 目を空けると完全な闇。という事は収納の中か?
「ほう、どこの穴を拡張したんだ?」
闇の中にアナの声。さっきのカンチョーの恨み晴らしてやる。
「収納に決まってるだろ! アナ、てめぇーは僕がぶっ殺す!」
「マリーちゃん、ここはどこ? 光よ!」
サリーの声がして、闇の中に光の球が浮かび上がり辺りを照らす。え、ここ、教室?
見渡すと、クラスメイトたちは机に突っ伏して寝てるのか? 動いているのは、僕とサリーとベルとアナとアルスとウシオ。あ、ウシオ、僕を助けに来たのか? ウシオが即座に僕の隣に来る。
「申し訳ございません。ご主人様。遅れました」
「ありがとうウシオ」
「ごめんなさい、スカート脱がして」
サリーは僕の手を取って立ち上がらせてくれる。
「サリー、ちなみに聞くが、カンチョーしたのは誰だ?」
「ベルとアナよ」
「ほう、そうか、目には目を、歯には歯を、カンチョーにはカンチョーを。ウシオ、ベルとアナを無力化しろ!」
ふっ、マジ痛かったからな。2人にはとっておきの一撃をくれてやる。
「イエッサー!」
ウシオは手をポキポキ言わせながら、僕を守るように立つ。
アナとベルが寄り添い、僕とウシオと対峙する。けど、その間にサリーが割り込む。
「待って、マリーちゃん。それよりここはどこなの」
「え、教室だろ?」
「じゃ、なんで真っ暗闇なの?」
「そうだな。なんで真っ暗なんだろう」
「まずは、現状の確認をしましょう」
腹は立つが、サリーの言うとおりだな。
「マリー、一時休戦ね。ベルはなんか嫌な予感がするのよ」
「おい、見てみろよ、窓の外が壁みたいだぞ」
アルスが窓を開けてるが、言うとおり壁みたいなものがある。
「おい、なんかおかしいぞ?」
アルスがその壁みたいなものを叩いている。うん、おかしい。なんで窓の外に壁?
「多分ここは異界かしら。マリー、収納の入り口は開けられるかしら?」
僕はベルに言われて収納の入り口を開けようとするが、何も起こらない。
「多分、ここはマリーの収納の中ね。教室まるまる入るなんて非常識すぎるかしら」
そうか、僕の収納の中か。さすが僕。収納の広さは魔力に比例するって言われてるけど、まさか丸々教室がはいるとは。
「手分けして、出口を探してみよう」
そう言って、教室の教壇側のスライドドアを開けると、さらにドアがあって、他を探してみても出入口は見つからない。ドアは怪しいので後回しにしてると、徐々にクラスメイトたちが目を覚まし始めた。
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