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 第八話 BBA


 匍匐前進してる、BBA的なものから少し離れた所で僕は歩みを止める。


「ウシオ! どうなってる?」


 僕はチキンなことに、ウシオに偵察に行かせた。恥ずかしながら、幽霊とか怪談とかは苦手なんだよ! 中身はともかく、僕は可憐な乙女だから。


「だいたいベルと同じくらいの大きさの老人です。服を着ていません。髪が長いので、多分女性だと思われてます。話しかけても反応がありません」


 んー、そうだな、なんかオカルトでは無さそうだな。落ち着いて冷静に考えて見よう。

 ババアが来た方向は骸骨城の方角だ。ここに普通の人間がいる可能性は低いから裸な事も含め間違いなくアンデッドだろう。やっぱオカルトか。

 しかも、あの地獄をくぐり抜けてるからかなり高位の存在だと思われる。


「骸骨城の生き残りだと思うがどうする? とりあえず浄化するか?」


 正直、裸のババアのアンデッドって気持ち悪くてしょうがない!


 種族は何か?


 鬼ババか?


「マリーちゃん、待って、ヴァンパイアよ! 多分かなり高位の! 鑑定でも種族しかわかんないわ!」


 サリーが興奮して声を荒げる。そうだ、忘れてたけど、鑑定のスキルを僕も手に入れてたんだった。いまいち使い方が解らなくて放置したままだったな。イカンイカン。


 ヴァンパイアならヴァンパイアロードのエビシとの約束があるから、助けるべきだろう。

 けど、襲いかかってきたりしないだろうか?

 あの大破壊が僕らの所業とは知らないはずなので、いきなり敵対はしてこないはず。


 それに、本当に老人なのだろうか?


 もしかして、水気が無くなって梅干しみたいな状態なのでは?

 状況から沼地を目指してると思われるから、とりあえず水でもかけてみるか。

 容貌から一応女性と思われるので、羽織らせてやるために収納からマントを出す。


「はーい! 全員集合!」


 僕はみんなを集める。


「多分あれは骸骨城から来たのだろう。僕らが城を破壊した張本人って知ったらバトルになるかもしれないからそのことは伏せるように! 水をかけてみようと思うけど、なんかあった時のために、この中で一番戦闘力が高いウシオ、お願い出来るか?」 


「承知いたしました。任せて下さいご主人様! 不肖ウシオ、あの老婆を水攻めにして参ります!」


 ウシオはババアに水をかける事に気合いが入っている。なんか無駄にテンション高ーな。


「ウシオ、本気でかけたら粉々になってしまうかもしれないから、お花にお水をあげるかのように優しくでよろしく」


 収納からバケツを出してウシオに渡す。ウシオは走って沼から水を掬ってくる。一応マントも渡す。


 バシャ! バシャ!


 ウシオは水を手で掬って少しづつかけた。

 なんか新手の虐待にしか見えない。

 最後にバケツをひっくり返して残りをぶっかける。間違いなく虐待だ……ここが老人ホームとかだったら間違いなく事案だ。

 多分、ウシオは園芸無理だな。ウシオは地面に置いてたマントをとってヴァンパイアにかけてあげた。


 マントが微妙に震える。次はもぞもぞ動き始めた。ヴァンパイアは、ふらふらと立ち上がった。

 マントを上手く着用している。ババァの裸なんか見たくも無い。顔が見えるが、BBAというより、ミイラみたいだ。きもっ。

 それはウシオの前に立ち、ゆるゆると片手を出してコップで水を飲むようなジェスチャーをした。


「ウシオ、水だ。飲ませてやれ。けど、そいつに触るなよ! エナジードレインされるぞ」 


 僕は収納から水筒を出し、ウシオに投げる。ウシオは蓋をとってヴァンパイアに渡した。ヴァンパイアはそれを飲むがほとんどは上手く飲めずこぼしてしまった。


「マリー、魔力借りるかしら」


 ベルは僕の手を引いて、ヴァンパイアの前に立った。


「クリエイトウォーター!」


 ベルが水を作る魔法を発動する。ヴァンパイアの上に水球が発生する。それはみるみる大きくなると弾け、僕達を包み込み押し流そうとする。


 何とかその場に留まることは出来たけど、僕たちみんな水浸しで、ヴァンパイアの姿は見えなかった。


 やりすぎだ。ババアはどっか遠くに流されて行ったんだろう。


 チーン。



 読んでいただきありがとうございます。


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