第一話 まずは人心地
「ぷっはーっ! うんめー! 生き返るー!」
僕は収納から水筒を出して、牛男とベルに渡して、僕はサリー、牛男はメイさん、ベルはシェイドに水を飲ませたあと、自分らも水を飲んだ。
「まじ、水は神かしら!」
「本当に今までで一番美味しかったです。これで少しは動けます!」
僕達3人は少し復活したが、あとの3人は水を飲むとまた眠りこんだ。
ベルはしゃがみ込んで、シェイドの額に触れている。
「シェイドの部屋の管理者権限をリンクして一時的に奪ったから、ベルの許可で使えるかしら! マリー、魔力をよこすのよ!」
ベルは僕の手を握る。いつものすべすべの手がカサカサだ。
「シャドーサーバント!」
ベルの影が伸びて黒ベルが現れる。
「おい、何してるんだよ!」
「シェイドの部屋のホストを黒ベルにしたわ。これでみんなシェイドの部屋で休めるかしら」
おお、ベルにしては賢い! 黒ベルが暴走しないか心配だけど、今は休みたい。僕のスキルの重力コントロールを使いながら、サリー、シェイド、メイさんを黒ベルの影の中に沈みこんで、影の中にあるシェイドの部屋に運び込む。リビングのソファに寝かしつける。
「じゃ、風呂場見てくるよ」
僕は風呂場に向かう。人感センサーがついてるのか、開けた部屋の電気が点くようになってた。シェイドが大改造したらしいから、他もチェックしてみる。なんか玄関みたいなのも出来てたが、風呂が先なのでとりあえずスルーした。風呂場はまさに大改造されていた。広めの脱衣所から扉が2つあり、片方はシャワー1口で1人ようのバスタブがある小部屋、もう片方はシャワーが3口あり、奥には10人位入れる浴槽がある。何人で風呂に入るつもりなんだろう? とりあえず、服をぬぎ、小部屋でシャワーを浴びて、バスタブにお湯を溜める。浸かりたいとこだけど、今日はシャワーだけで我慢だ。邪魔されず、速攻頭と体の塩をながして、収納からタオルと着替えを出して着替える。人心地ついた。リビングへ戻る。
「風呂溜めて来たから入れ!」
「あー、ずるいのかしら! 一緒に入ろうと思ってたのに……」
ベルが項垂れる。それが嫌だから烏の行水で我慢したんだよ!
サリーとシェイド、メイさんを起こす。
「塩を落とさないと、疲れが取れないから休む前にシャワーを浴びたがいいだろう」
「サリー! 動けない! マリーちゃんお風呂にいれてー!」
サリーが甘えてくるが、僕はもう力が出ない。
「そうしたいのはやまやまだけど、僕も今日は疲れてるから勘弁してほしい……」
「しょうがないなー」
3人はふらふらと風呂場に向かった。動きがアンデッドみたいだ。
塩もすっかり落として、服も着て、今日だけは疲れをとるために1人1人で寝る事にした。それぞれのベッドルームに入り、僕はそっこー眠りに落ちた。
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