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 第五十七話 シャドーサーバントの最後


「おーなーかーすいたー!」


 巨大黒サリーが立ち上がり雄叫びをあげる!


 なんかしまりのない声だ。


「あんだけ食べて、まだ、食べる気かしら! サリー同様底なしかしら!」


「あたしは、あんなに意地汚く悪食ではないわ!」


 ベルにサリーがかみつく。仲良くなったみたいだな。


 見渡すとアンデッドはもはや居ない。シャドーサーバント達が狩り尽くしてしまった。牛男が残念そうだ。


「そう言えば、シャドーサーバントってエネルギーが無くなったら消えるのよね」


 サリーが誰となく話しかける。


「まだ、消えないわよ! さっきから食べたアンデッドでエネルギー補充してたかしら!」


 ベルが答える。サリーは肩をおとす。


 巨大黒サリーは、辺りを見渡すと、城の方を向き歩き始めた。それに若干距離をとって黒ベル達もついて行き始める。気がついたら、数えられないくらいいる。


 黒い美少女巨人のあとを黒い美少女のむれが追いかけていくのは、悪い夢を見てるみたいだ。みなかったことにして、このまま回れ右しようかな……


「一応、これから何をするか、遠くで見てみましょ」


 サリーに促され、僕はしぶしぶついていく。心の底から悪い予感しかしない。


「そういえば、黒ベルって消滅するときに自爆するよな。あいつらは大丈夫なのか?」


「大丈夫じゃないと思うわ。ベルのシャドーはベルの必殺魔法を最後につかうから、サリーのシャドーもサリーの必殺魔法を最後につかうかしら」


 ベルが僕にこたえる。そういえばサリーの必殺魔法って何だろう?


「あたしの必殺魔法と言えば……」


 サリーが巨大黒サリーを見つめる。巨大黒サリーは、城の前で止まると、点滅しはじめた!


「コスパ悪すぎかしら! 多分自爆するわよ!」


 僕達は遠巻きに巨大黒サリーを見つめた。


 草も木も無いはげ山の上に尖塔の立ち並んだ巨大な城が月明かりをバックに佇んでいる。その鋭角的なフォルムの建物のまわりを大きな蝙蝠が飛んでいる。


 悪魔城!


 そういう言葉が似合う城だ。実際の名は骸骨城。数百年に及ぶ不敗の城だと聞き及んでいる。


 伝説では死王と呼ばれる者を王としていただき、あらゆるアンデッドを擁し無限とも思える不死の軍団を抱えていると言う。


 僕達は、その数百メートル先にいる。少し走ったら到着するくらいの距離だ。


 僕達はその触れざるべき禁忌の城に今から挑む。


 死王を廃し、自分達の安寧を得るために。


 僕は仲間たちを見る。


 身の丈ほどの巨大な斧をもつミノタウロスの戦士牛男。見るからに頼もしい限りだ。


 黄金認識票の冒険者サリー。強力な力を持つ魔法使いだ。様々な魔法で僕らを助けてくれる事だろう。


 そのサリーの半身のシェイド。戦士並みの戦闘能力と、僕ですら把握していない特殊能力をもつ。前衛も後衛もマルチにこなしてくれるだろう。


 迷宮都市の冒険者登録所の受付け嬢のメイさん。多少の魔法は使えるらしいが、こんなことに巻き込んで済まないと思う。


 この中の何人が生きてあの城から出る事が出来るのであろうか?


 1人も欠けずに明日の朝を迎える事を祈る!



「とーんーそーくー!」



 せっかくの気分が台無しだ!


 現実に引き戻される。


 城と余り変わらない背丈の黒い巨人が叫ぶ。


 巨大黒サリーだ。


 城にしがみついて、消えかけたり戻ったりの点滅している。


 その足下には溢れんばかりの黒い美少女の群れがいる。ベルのシャドーサーバント黒ベルだ!


 黒サリーの点滅の間隔が短くなる。


「サリーの分身、自爆するのかしら? 何の魔法を放つか楽しみね」


 悪魔の化身のハイエルフ、ベルが楽しそうに蒸かし芋を食べながら黒サリーを見つめる。


「あたしの最近の得意魔法と言えば……」


「ギールーティービィ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ムッ!」


 サリーが言い終わる前に黒サリーが叫ぶ!

 黒サリーの両目が光り、光線が放たれる!


 怖い!


 怖すぎる!


「やーめーてー! あたしのヒロインとしてのイメージが!!」


 サリーは叫ぶが止まらない。


 さらに黒サリーは口を開け口からもビームを放つ!


 カオスだ!


 3筋の光が闇を切り裂き、城に命中する。城全体が一瞬白く光る。


 黒サリーが弾け辺りが白い光に包まれる。


「「アイアイアイアイアーッ!」」


 僕達全員の口から叫び声が漏れる。光に照らされた瞬間全身に耐えがたい痛みがはしる。みんなその場に崩れ落ちる。


 ギルティビームは痛いだけだけど、今回はその痛みがひどい! 高齢者ならショック死するのでは? 僕は体が痺れて動けない。何とか見渡すと全員同様みたいだ。


「やっとなんとかなったわね。ブーストシャドーサーバントは禁呪確定ね……」


 サリーが言葉を絞り出す。


「今の魔法は聖属性みたいかしら。低級のアンデッドは消滅したんじゃ無いかしら……」


 ベルも苦痛に顔を歪めながら言葉を絞りだす。


「皆さん……見て……下さい。ベルさんの……シャドーサーバントさん達が……」


 メイさんが喘ぐかのように話す。少し色っぽいと思ってしまった。


 どうにか首を動かして黒ベル達をみると、どんどん集まって1つになり始めてる。


「ベル! あいつら何してるんだ!」


「わかんない! けど、もうじき消えるはずかしら!」


 黒ベル達は融合すると、一体の巨大な黒ベルになった!


 さっきの黒サリーと同じくらい大きい!


「ベールーもーじーばーくーすーるー!」


 巨大黒ベルが叫ぶ! せんでいいわ!


「黒ベルが自爆? やばいぞ! みんな逃げろ!」


 僕は叫び、痺れた体を必死で動かそうとした!



 読んでいただきありがとうございます。


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