第五十五話 ブーストシャドーサーバント
「ていやぁ」
「とおぅ」
黒ベルたちが気の抜けた掛け声で、う○こもどきを投げている。
「ライト!」
サリーの頭上に明るい光の玉が現れ辺りを照らす。暗くなってきたのでちょうどいいな。
「いっきまーす!」
サリーが楽しそうに駆け出すと、一斉に黒ベルたちがサリーの方を向く!
そして、サリーに向かってアンブロシアを投げ始めた。
「なんで、いきなり敵認定なのよー!」
サリーが叫ぶ!
さすがだ。サリーは全てのアンブロシアをかわしている。
「あんたたち! 仲間割れはやめなさい!」
ベルの言葉をがん無視して、黒ベルたちはサリーのみ執拗に狙う。アンデッドたちが黒ベルに群がるが、実体がないので、ノーダメージみたいだ。黒ベルたちは、アンデッドを無視してサリーに群がる。アンデッドは黒ベルに攻撃が効かないのに気づいたのか、僕達の方に向かって来た。
「牛男! シェイド! 頼む!」
「承知いたしました!」
「りょーかい!」
牛男とシェイドが飛び出して、牛男はアンデッドの持ってた剣を奪って群れよる者をなぎ倒していく。ごついミノタウロス姿なのに無駄のない繊細な動きで敵を翻弄し、その動きは美しさすら感じる。シェイドはアンデッドナイトの足をつかんで、それを振り回して近づいてくる者をふっとばしていく。豪快だ!
サリーを見ると、サリーの姿はかき消え、辺り一帯のアンデッドの上半身が崩れ落ちる。超加速でなぎまくっているのだろう。黒ベルもろともいってるみたいで、黒ベルの胴体部が一瞬消えて、少し動きが止まりまた戦い始めてる。サリーはただ単に黒ベルを切りたかったのでは?
サリーの動きが見えないからか、黒ベルは諦めてアンデッドにアンブロシアを投げ始める。キョロキョロしてる奴が多いので、サリーを捜しているのだろう。ベルは黒ベルを全くコントロール出来てないんだな。なんてはた迷惑な奴らだろう。僕も黒ベルに敵認定されないように気をつけてないと……
黒ベル、牛男、シェイドはアンデッドを蹂躙しまくっている。サリーは僕の目では追えないけど、だいたいどこにいるのかは分かる。下半身だけのアンデッドが量産されてる所があるのでそこだろう。
砂時計の砂が落ち尽くした。
「1分たったよ」
僕は大声をだす。
「最後にもう一発!」
サリーが僕の前に現れる。そして、背を向ける。
「マリー・ドレイン! マリーちゃん魔力もらうわ!」
サリーの方に僕から出た光が吸い込まれていく。
「ブースト・シャドーサーバント!」
サリーの影が伸びて巨大化する。
「なにコレ! やばすぎる! 制御出来ない!」
サリーが叫ぶ。
サリーの影が立ち上がり、巨大な黒いサリーが現れた。下手したら小さなビル位ある!
「とーんーそーくー!」
巨大なサリーは叫ぶとアンデッドの方を向いた!




