表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

364/485

 第四十七話 再出発


「グラビティ・ゼロ!」


 僕は自分の体重を限りなくゼロに近づけ走り出す。マリー状態のときは、その身体能力の低さゆえ、普通の大人より少し早い位でしか走れないが、ベルごときは振り切れるはず!


「シャドウサーバント! 豚!」


 一瞬にして、黒ベルに囲まれて捕まる。今僕はデブだと言うのを忘れてた!


「頼む! 露天風呂に行かせてくれ! 今日はサリーとウシオとドライアードの姉さんとダブルデートの予定なんだ!」


 僕は恥を忍んでベルに頭を下げる。


「いいわよ! 久しぶりに一緒に風呂にはいるのかしら! 豚!」


「ベル、こいつら消してくれないか?」


 僕は黒ベル3体に押さえつけられてる。時代劇とかの罪人みたいなポーズだ。


「面白いからいやよ! 豚!」


「語尾に豚ってつけるな!」


「せっかくやっとベルが起きたのにあんまりじゃないかしら豚!」


「だって、お前を連れて行きたくないんだよ! 明日、骸骨城って所に乗り込んで死王ってのをぶちのめす予定なんだよ! もしかしたら、無事に帰って来れないかもしれない……」


「え、もしかして、ベルのこと心配して……」


 ベルが僕の方を見る、目が合うと赤くなって顔を伏せた。


 ん、何を言ってる? ベルのなにをどうして心配することになるのだろうか?


「んな訳あるかーーーっ! お前が来たらロクな事ないんだよ! 最終的には大体誰か裸になるし!」


 みるみるベルの顔が紅潮し、目頭が吊り上がる。


「じゃあ! ベルもついて行くんじゃ! ボケ! カス! ブターーーッ!」


「うりゃ!」


 ゴツッ!!


 ベルは黒ベルに僕の顔を上げさせると僕の髪を掴みチョーパンかましてきやがった! 地味に痛い。


「ベル! そこまでだ! ご主人様に対する乱暴狼藉許さんぞ!」


 僕の影の中から誰か飛び出してきた!


 僕のウシオだ!


 顔が激怒に染まり変形し角が生える。ミノルタウロスバージョンにチェンジした。変身が怖すぎる!


「牛男! 久しぶりかしら! アブソリュートプッシュ!」


 牛男が後ろに吹っ飛ばされて消える!


「ベルは強くなったわ! 今のは新魔法! どんなものでも3メートル後ろに転移する魔法よ! これで誰もベルには近づけないわ!」


 何てクソな魔法だ! たまたま迷宮だったから壁の奥に移動させられたから牛男は消えたが、普通だったらまたすぐに近づけるだろう。ん、まてよ!


「ベルどんなものでもって言ったよな? けど、お前ごときの魔法が絶対的な魔法防御をもつ僕に効くのか?」


 僕は顔を上げて不敵に笑いベルを見る。


「何いってるのかしら! 豚! ベルが絶対って言ったら絶対かしら! 豚!」


「馬鹿じゃないか? お前の魔法が僕に効いたことあるか?」 


 いつもベルの魔法にはやられまくってるけど、言葉の勢いでのまれてくれるはず。


「そうね! そこまでいうのなら! アブソリュートプッシュ!」


「アディオース! またな! ベル!」


 魔法が僕に作用したのを確認して、ベルに別れを告げる。壁の後ろで牛男と合流だ。


 ちかっと目眩がして僕はさっきと違う通路にいた。


「うーしーおー!」


 僕は叫ぶ。


 反応がない……


 あいつ、そっこーどっかに走って行ったな。


「じゃ、温泉に行くかしら! 魔力をよこすのよ!」


 ベルが僕の手を握る。


 お、びっくりしたいつの間に?


「自分自身も転移できたわ! 四の五の言わず行くわよ! 牛男はパレスのエントランスにいるから拾っていくかしら!」


 手を握るのはずるい。小さい暖かい手に僕は捕まってしまった。心も少し。


「じゃ、行こう!」


 僕達は再び歩き始めた。




 読んでいただきありがとうございます。


 みやびからのお願いです。「面白かった」「続きが気になる」などと思っていただけたら、広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、ブックマークの登録をお願いします。


 とっても執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ