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 第四十三話 入会の特典


「じゃ、17時に迎えに来るけど、晩飯食べたりとか、買い物したりとか連れてって欲しいんだ。当然晩飯は奢るからさ」


 僕はそう言うとサリーの手を握る。サリーは握り返してくる。僕は貧乏なうだから、もしもの時はサリーにお金を借りるかもしれない。その意味を込めたんだけど伝わったみたいだな。


「うん、いいわよ! 最近あまり美味しいもの食べてないから、がっつりたからせて貰うわね」


 受付さんはにっこり笑った。さっきの笑顔より幼く見える。営業スマイルじゃなく、地の笑顔だからだろう。


「じゃ、また後で!」


 僕は、椅子から立ち上がり、受付さんに背を向けた。次はどこに向かおうか?


「待ってー! マリーちゃん、話途中よー!」


「うおっとっと」


 サリーが僕の手を引いて引き戻す。


「あ、そうだった。忘れてたよ。お姉さん、名前は? 僕はマリーだ!」


「あたしの名前はメイよ」


「メイさんかー。いい名前だね。それじゃ、また後で。うおっとっと」


 立ち上がろうとする僕をサリーがまた引っ張る。え、まだ何かあったっけ?


「違う違う! 待てい! 話を聞いてないでしょ! 冒険者登録して貰う、ブレスレットの特典は何なの?」


「はい。特典は、もれなく彼氏のいないドライアードがついてきます。」


 メイさんは小首をかしげ、にっこり笑う。

 それは素晴らしい。それなら、今すぐ登録したい!


「ここでボケはいらんわ! 実際はどうなの?」


「じゃ、僕とウシオ登録します! ドライアード2人下さい!」


「済みません、ドライアード、あと1人で売り切れなんです」


「じゃ、先にあたしがいただくわ。って話がすすまないでしょうが。はい、ここでストップ。真面目に話しましょ」


「はい、了解です。ブレスレットを装備した特典は、もしこの迷宮都市で命を失ったとき、神殿で生き返ることができます。とは言っても、前に神殿に行った時の状態に戻る事になります。その間に手に入れたものや記憶は戻りません。あと、所持金がゼロになります。迷宮の中にいくつかのセーブポイントという所があって、そこに入るとそこからスタートできます。お金をキープしたいなら、お金をラビリンスカードに入金すると、減るのは半分ですみます」


「!!!」


 おいおい、特典凄すぎだろ!


 ということは、ここでは冒険で死なないのか?


「マリーちゃん! 入ろう!」


「そうだな。ごたごたが終わったら、ここに来て本格的に攻略しよう。その時に加入しよう」


「では、また、後で! サリーいこうか」


 今度こそ、登録所を後にした。実はさっきからトイレ行きたいのだ……



 読んでいただきありがとうございます。


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