第三十四話 ヴァンパイアとの交渉
しばし瞑想したあと、ヴァンパイアロードエビシは口を開いた。
「まずは、もし、お前たちが死王を倒した時、わが一族の面倒を見て欲しい。衣食住全てだ。当然働くからそれに見合ったものでいいが。それと、わが主を説得して欲しい。我々は死王に忠誠など誓っておらぬ。主が従ってるから従ってるに過ぎない。それさえどうにか出来れば、考慮の余地はある」
エビシは僕の目をじっと見る。
「考慮の余地がある? なんかお前偉そうだな。お前、自分の立場わかってんのか?」
僕はエビシににじり寄る。エビシはくねくね逃げようとする。
「寄るな、寄るな、スイカバスト! さっきの条件は譲れんぞ、これでも中間管理職だからな、都合良すぎるかもしれないけど、我らは有能だぞ、かなり役立つと思うぞ」
確かにエビシの言うとおりだ。ヴァンパイアは役に立ちそうだな。
「わかった、前向きに検討するから、上手く行った時は、お前も約束守れよ」
まあ、どうなるかは解らないけど、とりあえず交渉成立かな。
「ちょっと、まだペットを増やす気? もう養えないわ!」
サリーが僕とエビシに割って入る。
「ほう! ピンク娘、私をペット扱いするとは!」
エビシが目を細める。
「私はペットよりいい仕事するぞ! 特に夜!」
「マリーちゃん。やっぱりこんな気持ち悪いヤツ飼えないわ。早く浄化しましょう」
サリーが僕の手をくいくい引く。
「ほうそうか、夜もいい仕事するのか。分かったヴァンパイアロードよ、そこでソロでエアでどんな仕事をするのか僕たちに見せてくれないかな?」
僕も目を細めてエビシを見る。
これ気に入ったのでしばらく使おう。
「すんません! 勘弁して下さい。私これでも一応管理職なんで部下が泣きます……」
口だけのヘタレめ。
「しょうがないな、今日の所はこれくらいで勘弁してやる。ところでお前、死王について知ってる事を教えてくれないか?」
「ああ、それですか。私もあんまり知らんです。あの人いつもゴツイ鎧着てますし、副官を介してしか話した事ないです。私の主人が仕えてるくらいですから、多分、鬼のように強いとおもわれますな。とりあえず、私の主人をよろしくお願いします。まずはそれからですな、それまではどっかで簀巻きで待ってますよ」
なんか心なしか、エビシの言葉使いが柔らかくなったような。これが地なのか?
『しょうがないわね。マリーちゃんは。このヴァンパイアしばらくここで見張っとくわ。それとヴァンパイアの住むところも考えとかないとね』
「ありがとう! 母さん!」
僕達は孤児院にエビシをおいてきて、時間が余ったので、草原エリアの散策をする事にした。
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