第二十八話 カレーを食べる
「「いただきます!」」
僕達は外に机を並べてカレーを食べている。
タマネギをじっくり炒めて少しニンニクをいれ、ニンニクがキツネ色になったときにワインを入れる。そこに炒めた具材としっかり煮込んだ牛すじとその煮汁をいれ、自家製のカレールーとカラメルを少し、それをしっかり炊いたものだ。因みにここまで作って収納の劣化しないボックスに大量保存してた。それを取り出して温めたものに、さいごに匂いづけのために油で自家製カレー粉を炒めて香りがでたものを混ぜて完成した。
匂いは大事だ!
それのあるなしで、美味しさがかなり変わる。最後に1手間匂いを足すだけで、ぐんと美味しく感じるものだ。当然、白ご飯も準備している。
「マリーちゃんのカレー久しぶりね! とってもおいしいわぁ!」
巨大な胸を揺すりながら母さんがカレーを食べている。
「母さん! 動けないのじゃないのかよ!」
「すべての能力を駆使して、どうにか時間をつくってるわ! もう行かないと!」
母さんは完食して消えた。実の子供の僕に会う時さえ寝たままだったのに、カレーのために全力を使ったのか……母さん、もっと違うとこで頑張ってくれ!
「やっぱ、マリーちゃんのご飯おいしいわ」
「シェイドも満足だ!」
サリーとシェイドががっついてる。可愛らしい。
子供たちもわれ先にとおかわりしてる。甘口にしててよかった。
「なんだこれは! こんなにカレーはうまいものなのか!」
王子は身分を忘れてがっついてる。
モモさん、アナも喋る事を忘れて食べている。
シャル、イカ、マグロは子供たちに紛れ込んでる。
みんな満足のようで、作ったかいがあったってものだ。
子供たちは遊びに行って、僕達はコーヒーを嗜みながら、作戦会議を始めることにした。
「リナ、修行の間ってどんな所なんだ? ぼったくりバーなのか?」
正直1日の利用が大金貨10枚は高すぎるだろう!
「修行の間っていうのは、私達がそう呼んでるだけで、本当は違う名前があるらしいわ、中に入ると1日が1月になって、その間のご飯代と宿泊代も含めての料金だそうよ。1回の利用でかなりの魔石を消費するから、妥当な金額だって母様が言ってましたわ」
「では、修行したいもの挙手で!」
アナ、王子、モモさん、シャル、マグロ、イカ、要はサリーとシェイド以外全員だ。所持金を聞いたら、アナとマグロ以外は大金貨10枚払えるそうだ。
修行には1日かかるという事なので、僕らはすぐに出発する事にした。
修行組は子供たちの1人が案内し、僕たちはリナにドラゴンゾンビの所へ連れて行ってもらう事にした。
「マリー、無事でな!」
「さらに強くなってくるぞ!」
「お母さん、また明日!」
「強くなってくるっすね!」
「…………」
王子とアナが先導しみんなは出発していった。相変わらず黒騎士タイプのモモさんは喋らない。僕は見えなくなるまで手を振って見送った。
「じゃ、僕達も行くか!」
目指すは地下3階、ドラゴンゾンビのいる所だ。
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