第八話 露天風呂での乱戦
「アナ! 遊んでないで、戦ってくれ!」
「嫌だ! エルフはそう簡単に太れないんだ! 前回はすぐに戻ったけど、今回はこの雄姿をお爺様にも見せるんだ!」
アナの爺さんの変態エルフ王はデブ専でもあるのか……
王子、モモさんが離脱した今、アナくらいしか物理特化がいない。できれば、ティラノサウルスを死体でもいいので、聖都に持ち帰りたい。良い値段で売れるのでは?格好いいし。
「アナ、太りたいなら、今度ベルに頼んでやる。いつでも好きな時に太り放題だぞ!」
「そうか、それは助かる! 行くぞ! 戦神降臨20%!」
「待てっ、アナ! 20%はやり過ぎだろ!」
ツッコミは既に遅く、アナの体は縮み下着が脱げ落ち体を金色の鎧が覆っていく。
この前10%で90%までいったので、20%なら100%確定だろ! アナは100%になると、金色の鎧に包まれて暴走する。簡単な足し算もできんのか?
「アレスは私、私はアレス! 裸に鎧はすれて少し痛い私降臨!」
アナは温泉から飛び出しポーズをとる。神々しい光輝く鎧を纏い、何も言わなかったら女神様にしか見えないな。今回は何をやらかしてくれるのだろう?
「うーん、動けんな! 少し動くだけで、乳首とデリケートゾーンがすれてとても痛い!」
「下着を付けろ下着を!」
「アレス! ギルティ!」
僕の影から、兎のぬいぐるみのギルティ君が目を光らせてのそりと這い上がってくる!
少し怖い!
「ギルティビーム!」
「神にそんなものが効くか! アイアイアイアイアーッ!」
めっちゃ効いてるやん! 邪神なのか?
「ウォオオーッ! 擦れて痛い! 痛いけど少し気持ちいい!」
「アレス! ギルティ!」
「アイアイアイアイアーッ!」
アナとギルティ君がエンドレスに遊び始めた……
アナはもう駄目だ!
ん、けど、なんでアナに黒ベルは襲いかからない?
サリーにあって、アナにないもの?胸?違うな。そうか敵意だ!ベルに対して敵意がないと襲いかかってこないんだろう。
「サリー! シェイド! 黒ベルのことを考えるのを止めて無視しろ!そいつらは敵意に反応してるはず!」
「え、無理よ! あたしはベルをみただけで、敵意を通り越して殺意がわくわ!」
「じゃ、とりあえず影に入れ!」
サリーとシェイドは黒ベルを牽制しながら僕の影に入る。サリーとシェイドがいなくなると黒ベルたちはぼけーっとし始めた。正解か?
『イカくーん!』
金カブの念話が聞こえる。
『イカ君、3.2.1で逃げて! 3.2.1どうりゃー!』
イカが消えて、金カブの角がティラノサウルスの腹の下に潜り込む、そして、豪快にすくいあげる。放物線を描いて、遠くに飛んで行った。さすが昆虫の王者。虫相撲みたいだな。
なんとか、片付いたかな?
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