第四話 ラピュタ
「サリー! 暖かいね!」
僕とサリーは高速飛行艇(汚いイカ)の甲板(粗末な籠)でラピュタごっこを楽しんでいる。みんなで交代で見張りをしてて今は僕とサリーの番だ。2人で1つのマントにくるまっている。サリーが原作を知らないのがネックだがしょうがない。あらましを軽く話すが僕の表現能力のおかげでちんぷんかんぷんだ。
前世の幼い時の記憶が頭をよぎる。僕が料理が好きになったのは、男の子が朝ご飯に作った目玉焼きがのったトースト。それを作りたくて目玉焼きを作ったのが始まりだったような気がする。僕の中では目玉焼きはステーキだ。エッグステーキだ。それを乗っけたトーストを今度サリーと半分こしてやる!
少しトリップしてた僕をサリーが軽く揺さぶって現実に戻してくれた。
「マリーちゃん、シェイドがコピーの能力を持ってるように、あたしもスキルをもってるのよ。マインドハック! あたしは触れている人の記憶を読むことができるわ。マリーちゃん、その話を思い出して」
サリーは僕にめっちゃ抱きつく。うおっ、柔らかい!
いつもながらおひさまみたいないいにおいがする。サリーまぢ天使!
「マリーちゃん、あたしに全てをさらけ出して。もっとリラックスして」
む、なんかエロい表現だな。けど、僕は言われた通りに目を瞑って心を落ち着ける。
「とってもいい話ねー。マリーちゃんの来た世界ってとってもとってもすごいのね!動く絵があるのね……時間がある時にもっともっと見せてほしいわ!」
サリーはめっちゃテンションが高い。
おお、サリー素晴らしい。
どんどん僕の記憶を見て話が合うパートナーになって欲しい。
けど、エッチ系の所は上手くシャットダウンしたいものだ。恥ずかしい。
おお、そう言えば、ちょうどいい事にサリーはツインテだ!
のりのりでやってみる!
「シルタ!」
「パズム!」
「ソドムとゴモラを滅ぼした神の火だ! バウス!」
とりあえずなんとなく格好いい言葉を吐いてみる。
「パズム! ラピュタ! ラピュタは本当にあったのよ!」
シルタの指さす方を見るとちょうどいい事に良い感じの巨大な雲の塊が見える。
「竜の家だ!」
興味本位で、イカに頼んで突入する。中はうす暗く、リアルに稲妻がはしってる。
おお、なかなか再現度たかい。
けど、飛行艇の幻はみえなかった。
ん、けどなんかおかしい?
ちらちらと雲の合間から何か見える?
何かが光った!
キュイーン!
空間が軋む音がして、イカにいきなり光線が突き刺さる!
その一瞬雲が割れ、石造りの建物みたいなのが見える!
うおっ! がちラピュタだ!
「イカ! 手を出せ! タッチヒール!」
イカの出した触手を掴み回復魔法を流し込む。
危なかった!
一撃で致命傷だった!
「イカ! 離脱だ!」
ラピュタには心残りがあるが、今はそれどころじゃない。
僕たちは一目散に離脱した。
読んでいただきありがとうございます。
みやびからのお願いです。「面白かった」「続きが気になる」などと思っていただけたら、広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、ブックマークの登録をお願いします。
とっても執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。




