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 第二十九話 しばしの別れ


「本当は多分、母上はマリー様に来て欲しいと思ってるとは思うのですが、そこは任せると言ってたっす。ゴールドクラスの3人の内1人は来て欲しいそうっす!」


 以外に注文が多いな。たった4人。戦力を分散する事になる。よく考えろ、ベストな選択を。


 まず、金カブ、イカ、魔神は無しだな。魔領に行けなくなる。したがって、魔神の主の王子は無し。


 そこで、まずは、僕が行くかどうかだ。僕が行くとシミュレートしてみると、まず、僕が行く。それなら多分僕たちの中で一番汎用性が高いのはサリーなのでサリーも連れて行く。サリーとシェイドは一人になれるらしいから、2人で一枠で行けるからな。そして、モモさんを連れて行くだろう。大量破壊兵器だからな。あと1人はアナかアルスで、仮にアナを連れて行ったとする。残るのは金カブ、イカ、ウニ、マグロ、アルス、王子、じじい、魔神になる。じじいと王子に仕切って貰って魔神の城にいって、魔道具に魔力を補充して、あ、魔力補充できない! と言うことは、僕が行ったら、4人以外は魔領に行けなくなる。これはまずい、最大戦力で死王を叩くという、最初のプランが破綻してしまう。


 従って僕は行けない。


「僕、金カブ、イカ、魔神、王子は残留確定だ。魔道具に魔力を注いでそのあと魔領に行くために必要だからだ。先に母さんたちの所に行きたい希望者はいるか? 手を上げてくれ!」


「僕、行きたいです! タコが心配なんで!」


 ウニが志願する。ウニとタコとはもともと仲間だから心配なんだろう。


「俺も行きたい! 冒険者だからな! 任せろ!」


 アルスが僕の方を見ていう。もしかして、僕が誰を行かせようか迷ってたのに気付いたのか?


「私も行こう! 騎士だからな!」


 アナが立ち上がる。


「アナは残って、騎士だからマリーちゃんを守ってね。私が行くわ! 多分必要なのは大量破壊能力! 私が適切よ!」


 モモさんが立ち上がる。赤の水着姿が眩しい。


「じゃ、あと1人はわしじゃな。回復魔法使える奴おらんじゃろ、マリー、行く前にわしの杖の充電頼めるか?」


 学長が魔法の収納から出した杖10本程に魔力を込める。さすがじじい。いい魔法の収納をもってるみたいだな。魔神が寄ってきて、興味深そうに見ている。そのうちの1本を手にする。


「馬鹿な! 百人力の杖が満タンになってる。これは文字通り百人分の魔力を蓄える神々の武器だぞ!」


「魔神、今ごろ気付いたの? マリーちゃんは、多分数百人分の魔力はあるわ」


 サリーがドヤる。


 魔神はもう1本手にする。


「不滅の盾エターナル・シールドの魔法の杖! これも神器だ! それだけじゃない、完全回復に蘇生! 爺さん、お前何者なんだ?」


「わしはガンダーフ魔道学園学長、ムラク・ガンダーフ! 一応人間の中では当代一の魔術師だ!」


 おお、学長凄いんだな。


 学長は胸をはるが、ふんどし一丁なので、残念な事にただの変態にしか見えない。


「で、これはなんなんだ?」


 アナが小さめの杖? を手にしている。杖? の先は丸くなっていて、アナがスイッチ的なものを押すとウィーンと先が踊るように動き始める。いかん、いかんぞ、その型は。確かに魔法の杖と言えない事は無いが、その魔法は戦闘には不向きだ。


「じじい、変なものが紛れ込んでるぞ、しれっとセクハラするな!」


「すまんすまん。安心しろまだ未使用だ。わしくらいの歳になると、道具にも頼らんとな」


「そんなの知るか! さっさとしまえ!」


 じじいはしぶしぶとソレをしまう。サリーとモモさんは真っ赤だ。他の連中にはなんだか分からなかったみたいだ。


「マリー、さっきのは何だったんだ?」


 アナがしつこい。意外な所で無知だな。もしかして結構いいとこのお嬢さんなのか?


「アナ、今日の晩、サリーが教えてくれるそうだ。それまで我慢しろ」


「マリーちゃん!」


 サリーが非難がましい目で見てる。僕には説明は無理だ。


「じゃ、サリー、夜に教えてくれ。絶対だぞ」

 

「おおっ、なんなら、わしが使い方を実演しようか?」

  

「黙れじじい!」


 僕の蹴りがじじいの尻に刺さる。変態がっ。


「学長、冗談はそれくらいにしろよ」


 赤パン王子が僕の前に割り込んで来る。もう少しじじいをいたぶってやろうと思ってたのに。


「マリー、俺を残すのは魔神に言うことを聞かせるためだろ。モモは行かせるな、俺がいく。転移して魔領に入ってから、指輪を使えばいいだろう」


 王子はそう言うと、指輪を1つ掴む。


 アルス、ウニ、学長はマグロに指輪の使い方を聞いて指にはめている。あと1つの指輪は保留で王子が持っている。3人とも戦闘体勢に着替えている。ゴールド3人娘の誰かを母さんは欲してたみたいだけど、アルスと学長がしっかりその代わりを果たしてくれることだろう。


「じゃあ、頼んだぞ!」


「任せろ!」


「先にまってます!」


「任せるのじゃ! また会おう!」


 3人の姿がかき消えた。


 大丈夫だと思うけど、僕たちもできるだけ早く合流しよう。



 読んでいただきありがとうございます。


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