第二十七話 水泳大会優勝決定!
「それでは、用意! スタート!」
サリーの威勢がいい掛け声で、一斉にアナ、アルス、モモさんの3人はスタートをきる。
アナはバタ足で、アルスはバタフライ、モモさんは綺麗なクロールだ!
アナとアルスは既に金色に光っている。おお、全力だ。
モモさんが少し遅れるが、その周りにはでっかい巨人の手が現れ水をかき加速していく。
モモさんが2人に追いつく。
アルスは水の上から襲いかかる巨人の手にのまれるが、それもはねのけバタフライで跳ねる。
アナは反転して、背泳ぎタイプのバタ足で上手く巨人の手をかわしていく。
動きがキモい!
一進一退のデッドヒートを繰り広げる。
キラリ!
彼らの後方で何かが光る。水面に魚の背びれみたいなものが出てて、その下にはキラキラした魚影が3人をするするとくぐり抜ける。それは一着でゴールする。
そしてそれは陸に上がり右手を突き上げる。
「シャア! マグロちゃん優勝!」
子供くらいの大きさのマグロに人間の手足が生えた気持ち悪い生き物が甲高い声で叫んでいる!
そのあとにゴールした、アルス達がマグロを囲む。
「お前は誰だ?」
「大丈夫、敵じゃない多分」
僕はアルスを手で制する。
「おお。久しぶりだなマグロ」
走り寄って抱きつこうとするイカをマグロが避ける。
「イカさん、どさくさに紛れてセクハラは無しっすよ」
「それより、私はこいつが優勝ってのは納得いかん! もう一度勝負だ!」
アナがマグロをビシッと指差す。
「元気がいいお姉さんですね、ま、いいっすけど!」
アナとマグロがまた泳ぐ。
勝負にならない位マグロは速かった。
だって魚だもんな。
ちゃぷん!
ゴールしてマグロはそばの岩に跳ねて乗る。
そこには胸を手で隠した上半身は僕らと同じ年頃の美少女、下半身はお魚のいわゆる人魚がいた!
「マグロちゃん、魅惑の思春期マーメイドフォームっす!」
マグロは片手で濡れた髪を掻き上げる。可愛い!
男性陣が瞬時に駆け寄る。僕もつられて走りだす。
「人魚じゃ。尊いのう! その手をどけてくれんかのう」
じじいが一番早かった。じじい恐るべし。
「おじいさん、いくらまで出せるっすか?」
「マグロ! やめーい! シェイド!」
「りょうかーい」
シェイドが跳んでマグロの後ろに降り立ち影に引きずり込む。しばらくして、ワンピースを着た幼女タイプのマグロとシェイドが現れる。
「お前、さっきの人魚ちゃんなのか?」
アルスが悲しそうな目でマグロを見る。
「そうっすよ! なんか文句あるっすか?」
マグロが無い胸をそらして威張る。
テーブルと椅子とコーヒー、子供たちにはお茶を用意して僕はまずはマグロについて説明することにした。
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