第三十話 決着
「遅いぞ。うんこエルフ。もう、飯くっとるぞ。ぶっ!」
僕は、うんこエルフに口に含んだ豚足の骨を顔を狙って吹きかける。残像を残し最小限の動きで、彼女は避ける。なかなかやりおるな。
飛んでった骨を神速で駆け寄り大事そうに拾ってるおっさんがいる。気持ち悪い。
「ギルドマスター話が長いのよ。あと、家にパンツ取りに帰ったのよ」
さすがに職場に連絡しないとクビになるだろうということで、あの後彼女は一旦ギルドに戻り、僕達は夕飯の約束をした。
ちなみに、僕が投げつけた彼女のパンツはいつの間にか無くなってた。この町は変態しかおらんのか? けど、よくよく考えたら女の子の下着を手にしたのは初めてだった。けど、コイツのだから何とも思わんが。
彼女は、豚足に手を伸ばし躊躇なく噛みつく。
「ブッブッ!!」
うんこエルフの吐きかけた骨を避ける。所詮ギルド嬢まだまだだな。
「アウチッ!」
二段攻撃で、僕の避けるポイントを狙い、吐きかけやがった。顔にネチョッとしたものがつく。許さん!
「やんのか! コラァ!」
僕は怒りに我を忘れ立ち上がる。
「あんたが先にしかけたんでしょ!」
「問答無用! グラビティ・ゼロ!!」
僕の奥の手、重力操作を使い、自重をゼロにし飛び上がる。今の僕でも人の背丈以上は軽く跳べる。うんこエルフの頭上でピタリと止まる。
彼女は上を見るがもう遅い!
僕はエルフの上に肩車のようにまたがり、前に倒れ転がる。因みに今はテラス席にいたので、スペースは沢山ある。転がりながらエルフの足を取り固める。
完璧だ!
生まれて初めての快挙だ!
「メキシカンローリングクラッチホールド!!」
技の名前を高らかに叫ぶ!
ビリッ!
タイトなスカートが破ける。エルフの両手は僕の足に押さえられ、僕のお股に彼女の頭がある。僕の両手で、彼女の足は広げられ、パンツ丸出しだ!
親父から伝授された、僕の対人必殺技のうちの一つ。
時は第1回超人オリンピック。タワーブリッジで絶命したと思われたキン○マンが、超人界のプリンス、ロビ○マスクの虚を突いて決めた伝説の技。
教えて貰って、いつか使ってみたいと思ってたやつだ!
「パンツ履いてきてよかったな。うんこエルフ!」
「ふごふご」
彼女は、僕の胸に埋もれて、上手く声が出せない。顎が押しつけられてるので、得意な噛みつきも封印されている。
カフェのマスターが駆け寄ってくる。
「ワン、ツー、スリー! うしちち、勝利!」
「シャーーーッ!」
僕は技を解き、右手を挙げて勝ち鬨をあげる!
パチパチパチパチ!
店にいた人たちが僕に祝福の拍手をくれる。
敗者であるエルフはうなだれてる。
僕は今までの健闘を称え、握手をしようと思い手をさしだすが、エルフの姿が残像を残して消えた。
「お嫁にいけないわ! ばかーーーっ!」
いつの間にか現れたエルフは僕の後ろに回り首を絞める。
油断してたんで、綺麗にはいってる。タップするが容赦なく、僕は気を失った。
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