第二十五話 第二回戦開始
「悔しいが、今回は負けだ。あとは頼んだ!」
ギル王子はアルスに右手を差しだす。さすがはレッドドラゴンパンツ。あの爆炎のなかびくともしてない。もっとも燃えつてたら地獄絵図だが。
「ああ、任せろ! お前の意思は俺が継ぐ!」
元にもどった王子とアルスはかたく握手を交わす。仲良くなって何よりだ。けど当然アルスは全裸だ。そのデカくてグロテスクで汚いものを早くしまって欲しい。美しい友情という言葉が裸足で駆け出す状態だ……
けど、王子の意思って添い寝の事だよな……怖気がする……勘弁してほしい。
とりあえず、じじいとイカに回復魔法をかける。たかだか競泳なはずなのに、命がけの戦いのあとみたいだ。2人ともサンドリバー水着で人としての尊厳をとりとめている。
「うう、ボインちゃんとの添い寝……」
「マリー様と一緒におっぱいチューチューして寝たかった……」
じじいは元気そうだな。イカにはとりあえず一撃くれてやる。
「贅沢いうな、1人で寝てろ!」
僕は2人に慰めの言葉をかけてやる。
川の水は戻り、2回戦開始だ。
岩とかがじゅーじゅー湯気を上げているのが、なんか怖い……ここは地獄なのか?
それに辺りは蒸気が霧のように立ちこめている。泳げるのか?
アナ、魔神、ウニ、金カブのシャルが川に入る。なんとか泳げるみたいだな。アナはいつの間にかスク水に着替えている。なんのこだわりだろう? 似合ってるけど。
「それでは、位置について用意、スタート!」
サリーがハイテンションで号令をかける。
ウニはでっかいウニになって転がっていく。
これ、水泳なのか? けど以外に速い。
シャルはバタ足でごいごい進む。
バタ足にしては早い!
魔神は浮いて少しづつ下流に流されていく。まあ、そんなもんだろう。当然の結果だ。デブはタヒね。
スタートからしばらく経つが、アナは動かない。
目を閉じてる。
シャルとウニがデッドヒートを繰り広げ中盤にさしかかる。
まだ、アナは動かない。
「戦神降臨50%」
アナはカッと目を見開くと、金色に光り、マッハでバタ足で進み始める。
バタ足かよ!
シャルとウニにみるみる追いつき追い越しゴールする!
「ハッハー! 兎と亀作戦だ! 亀はどう足搔いても兎に勝てないのだ!」
アナは拳を振り上げてガッツポーズをとる。
「お前、なんか童話の解釈間違ってるよな? それにスタートを遅らせた意味も全くないよな!」
ついつい、ツッコんでしまう。
「そうだな、私が間違ってた。バニーガールの格好でするべきだった。兎らしさが足りなかったな。だが、これで野望に一歩近づいた! お前を独り占めしてぎゅーして寝れる! シェイド、入るぞ」
アナは僕の影に入って行った。なんなんだ?
ようやく、次は僕も参戦だ。
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