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 第十一話 魔領遠征計画


「魔神様、私が、魔力を、込めますので、転移装置を、使わせて、いただけない、でしょうか?」


 一句一句頭の中で確認しながら口に出す。僕は髪はぼさぼさ、なんか下着がずれてる気もする。とりあえず、早く地獄の会議を終わらせたい。王子、魔神、じじい、サクラの挑発をしのぎながら、淑女を演じる自信が無い。


「マリー、よだれたれてるぞ、俺をたべたいのか?」


 豚魔神がニヒルに笑う。


 激むかつく。


 この豚野郎が!


「あなたのような! 豚様のようなお方召し上がりたくございませんわ! 御不浄で臀部にお手が届かないと思われますが、どうやってお拭きになられてるのかしら?」



 ぶちん!



 何かが切れた音がしたような気が?


 みると、リアルに魔神の頭の血管が切れて血がでてる。


「じゃっかわしいわ! ぬしとぬしの連れの子豚のおかげで、どんな目にあったか! そうだよ! そうだ、今でも尻に手がとどかんわ! ゴーレムに手伝ってもらわんと、トイレにも行けんし、ゴーレムに拭かせるしかないんだよ! ゴーレムはガサツだから切れて痛いんだよ! 子豚は何処だ! 子豚を出せ!」


「なんか、あたしもムカついてきたわ! あたしもお尻に手が届くようになったときには、涙がでたわ! ベル! 悪魔のエルフ! この恨みはらさでおくべきか!」


 いかん!


 魔神もサリーも我を忘れてる。


 恐るべしベル!


 いなくても人に迷惑かけるとは。


「2人とも落ち着いて下さりませんか? ベルは今、迷宮都市サーレという所におります。会ったら好きなようにして構いませんので、その入り口が魔領にあると思われますのでエスコートしていただけませんか?」


「よかろう! 子豚に生おしりぺんぺんしてやる!」


 魔神じつは変態なのか?


「あたしも生おしりぺんぺんしてやるわ!」


 サリーがぞっとするような笑いを浮かべる……


「しょうが無いわね! 乗ったわ! 私も生おしりぺんぺんしてやるわ!」


 アナがわるのりしてくる。


「魔神は俺の参謀だ! ベルってのは一応女の子なのだろう! 俺は生おしりぺんぺんされてやる!」


 王子、お前、Mなのか?


「王子、おしりぺんぺんなら、僕がいつでもしてあげますよ!」


 サクラ、この変態の何処がいいのか?

 

 あ、そうか、こいつも変態なのか。


「サクラ、お前は残れ! 大会の準備を頼む」


 サクラが悲しそうな顔でうなだれる。


「私はベルのことはどうでもいいけど、マリーちゃんが行くなら行くわ!」


 モモさんも確定。


 やっとおしりぺんぺんから離れる事が出来た。


「正直、死王とかいうのと戦う事になるかもしれないから出来るだけ戦力は欲しい。誰を残すかだな、サクラと騎士団長残して全員ついて来てくれないか?」


 僕はみんなを見渡す。全員首を縦に振ってくれた。



 読んでいただきありがとうございます。


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