第九話 サンドリバー会議
「と言うわけで、魔神さんは、サンドリバー裸騎士団の参謀になった!」
僕は今回のあらましをみんなに説明した。学長、王子、サリーとシェィド、モモさん、アナ、サクラ、騎士団長、それに魔神がサンドリバー王城の会議室みたいな部屋のテーブルについている。濃い顔ぶれだな。
「おい、マリー、訂正しろ! 重騎士団だ裸騎士団では無い!」
王子が立ち上がる。いちいち大げさな奴だな。
「お前たち、最終的にはいつも脱ぐだろ。鎧要らないんじゃないのか? 結構、金かかるだろ」
「それは、いい案ですね。王子、サンドリバーは今、お金あんまりないのですから」
ゲイボーイのサクラが帳面を見ながら言う。こいつ番頭もしてるのか。
「マリーも、いつも脱ぐよな。お前も服いらないんじゃないのか?」
アナの一言で、王子、学長、騎士団長が僕の方を見る。何を期待してるんだ? 脱がんぞ!
「アナには言われたくないな。お前こそすぐ脱ぐだろ!」
「私は大丈夫だ! 基本的に女の子の前でしか脱がない!」
「あのー、服の話は今度ということで、話先に進めませんか?」
魔神さんが低姿勢な発言をする。
「お前、変わったな」
出会った時は傲岸不遜的な生き物だったのに。
「俺より弱いのは、お前と、サクラさんと、爺さんしかいないと思われる。俺は強い者には従うのだ! それが魔族!」
僕の問いかけに魔神が答える。卑屈きわまりないな。伝説の生き物のはずなのに。
「それで、まずはリザードマンはどうするんだ?」
僕は魔神に問いかける。
「あいつらは、2匹のドラゴンに悩まされてて、それを従えた。俺に従ってた訳だ。よって今は我が主ギル王子の配下になるだろう。北の湿地帯にいつもは住んでる」
「解った、リザードマン全員、今日からサンドリバーの国民として迎える! 追って挨拶にいく!」
ギル王子はまた立ち上がり拳を握る。なんかウザいな。
「それで、我が主、いつから世界征服に乗り出しますか?」
でぶ魔神は首だけ動かして王子を向く。
「世界征服! 今の所は興味ないな。それよりもまずは、世界最強! 今度の武術大会での優勝だ! そのためのインフラにまずは力を貸せ」
「おお、さすがは我が主! まずは世界最強ですね。1日もすればゴーレムたちの充電が終わって、作業をさせる事が出来るでしょう。もともと農業用ですし」
農業用にしてはゴツかったな。趣味か?
「それで、魔神殿はゴーレムをつくれるのですか?」
学長のじいさんがキラキラした目で魔神を見ている。でぶ専なのか?
「ああ、得意分野だ」
それから、しばらく魔神とじいさんは僕たちには訳の解らない、魔法の話で盛り上がった。つまんねーよ。
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