表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

282/485

 第八話 勝利の演舞


「サーン、ド、リバー!」


 王子の掛け声に合わせて、リザードマンから貰った腰蓑をつけた重騎士団百名が演舞を披露している……



 何が楽しいのだろうか?



 その後ろにはリザードマン三千体が隊列を組み、見よう見まねで、サンドリバー演舞をやっている。全員気絶させただけだったそうだ。そういえば、血が全く出ていなかったな。


「サーンド、サーンド、サーンドリバー!」


 僕たちの目の前には地獄絵図がひろがっている。騎士達は腰蓑をつけてはいるものも、たまに変なものが見える。早く止めてほしい!


 座ってる僕の隣には、ふん縛られた魔神がいる。目が死んでる。終始無言だ。


「時代は変わったのか! 魔神帝国の辺境伯だった俺が、騎士団の一兵卒に劣るとは……」


 魔神はまた、黙りこくった。


 終わる事無く、騎士達とリザードマンは掛け声に合わせて手を振り続けている。気が合うようだな……


「おい魔神! お前は俺の国をドラゴンを使って荒らした! その裁きはこれからのお前次第だ。死ぬ気で国の再建に力を貸せ!」


 やっと演舞は終わり、王子が魔神に手を差し出す。


 魔神はしばらく黙り込んだ。


「分かりました。偉大な者よ! 貴方にこの命捧げます!」


「よし、今日からお前は、サンドリバー重騎士団の参謀だ! 新たな大勢の仲間を祝して、サンドリバー用意!」


 また、地獄の演舞が始まった。


 帰りたい。


 男とトカゲはもう腹いっぱいだ。


 それは、サリーたちが僕を迎えに来るまで続いた……



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「まさに地獄絵図ね。後ろは見ないようにしましょう」


 サリーが僕にしがみついてくる。僕も恐怖でしがみつく。


 暖かい。


 もうサンドリバーは嫌だ。


 サリー成分を補充しよう。


 僕とサリーは金カブの頭の上に乗り飛んでいる。その後ろから、王子を先頭に腰蓑だけのサンドリバー重騎士団が必死の形相で追っかけてくる。金色のカブトムシに乗った美少女2人を腰蓑だけのマッスルたちが追いかけている。なんてシュールなんだろう。少し犯罪のかおりもする。



 魔神の城を見つけられたのは、サリーと金カブだけで、他のみんなはイカに乗っててはぐれたらしい。金カブの念話でサンドリバーで落ち合う事にして今に至る。


 騎士団と一緒に城まで戻ることにしたのだけど、いつの間にかレースになっている。


「サリー、もう我慢できない。振り切ろう!」


「そうね、気持ち悪いわ」


「グラビティ・ゼロ!」


 金カブの重量を僕の能力限界まで軽くする。


 金カブは加速し、質量をもったような風が僕らに襲いかかる。必死で僕はサリーと金カブにしがみつく。


 正直つらい。


 けど、あいつらを見るのはもっとつらい!


 僕たちはみるみる、騎士団を引き離していった。



 読んでいただきありがとうございます。


 みやびからのお願いです。「面白かった」「続きが気になる」などと思っていただけたら、広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、ブックマークの登録をお願いします。


 とっても執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ