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 第三十四話 お金の使い道


「あ、知ってるかもしれんが、1ヶ月後にサンドリバーで武術大会が行われる。それに学園も全面協力してくれないか? サンドリバーの街はドラゴンにやられていて、この催しを復興支援にしたいんだ!」


「面白そうじゃな。了解じゃ、ガンダーフ魔道学園の全てをかけて最高の大会にしてやろう。優勝賞品は聖女マリーってお主かい。わしも参加して、そのでっかい胸を……」


「おいおい、年なんだから止めとけよ。じゃ、じじい、明日迎えにくるからな」


「え、明日か? 急じゃのう」


 最終的にゴーレムの値段は大金貨千百枚をじじいが提案してきた。さっきサリーが出したお金を戻し、千枚貰える形だ。そのお金はサンドリバーに融資したい。無利子で貸そうと思う。じじいが空中の黒い穴から革袋を出す。一つ大金貨百枚で十袋だ。


「じじい、現金で払って生活大丈夫か?」


「一応学長だぞ、まだまだ蓄えとるわ!」


「飯食えなくて、干物になるなよ。あ、もう半分干物か」


「余計なおせわじゃ!」


 なんかいつの間にか和んでしまっている。


 じじいが空中から契約書を出す。相互安全保障の契約を結ぶ。血判を押し互いに1枚づつ保管する事にする。


「わしとは契約せんのか? 奴隷契約でもいいぞ。年とってるからいい仕事できると思うぞ」 


 じじいの奴隷とかお金もらっても欲しくないわ。


「おい、じじい、もう友達だろ。そんなもんいらんわ」


 僕は拳を突き出す。


「友達……そうじゃな友達じゃ、ハッハッハ!」


 僕の拳にじじいが拳をぶつけ笑いだす。


「人前では、きちんとするから安心しな。じゃ行くぞ」


 サリーが収納にお金をしまって、僕たちは部屋を出た。


「長かったな! それでどうなったんだ? ぱふぱふはしたのか? ぱふぱふは!」


 アナの言葉に辺りは静寂につつまれる。みんな聞き耳たててやがる。


「するか! ばかっ! それより皆集まれ」


 僕たちは近くのテーブルに座る。僕、サリー、シェイド、アナ、モモさん、イカ、ウニ、シャル、先生とロロもいる。円卓2つに椅子をもってきて座る。テーブルに大金貨の袋を並べる。僕たちを遠巻きに人垣ができてる。


「ゴーレムは大金貨千枚で売れた」


「「オオー!」」


 僕の仲間とギャラリーから感嘆の声が漏れる。


「さっきと同じように等分してもいいが、僕はこのお金を投資したい。1ヶ月後にサンドリバーで武術大会が開かれるが、それに無利子期限なしで貸し出したい。その帰ってきたお金を分配したいと思うが、皆自由だ。ここでお金が欲しい者には今渡す。融資に協力してくれる者は手を上げて欲しい」


 全員が手を上げる。


「マリーちゃんにまかせるわ」


「シェイドも」


「私は今日十分いただいたからな」


「私も、巨人の手はゴーレムに効かなかったしね」


「僕とイカもたいしたことしてないし」


「私達はもらえるだけありがたいわー。ついてきてよかったー」


 サンドリバーにはいい思い出はないが、困ってるので少しでも助けられるなら力になりたい。


「ありがとう。では解散!」


 袋をしまうと僕たちはそれぞれ帰って行った。


 女子寮について、僕とサリーとシェイドはサリーの部屋、モモさんと先生とロロとイカはモモさんの部屋へ行く。モモさんの実家のお風呂はイカがめちゃくちゃにしたからだ。ウニは小学部の寮、アナは嬉しそうにシャルを拉致って行った。



 今日は疲れていたからか、サリーとシェイドの後に、平和に入浴できた。もっともサリーとシェイドは水着で乱入してきたが……


 そして、2人に挟まれて僕は幸せに眠った。


 第十一章 ガンダーフの迷宮 完


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