第二十九話 買い取りタイム
「むぅ、どうも嫌われちゃったみたいだな」
石碑にウニとイカと金カブの名前がのってないのは納得できない。
「めいっぱいね」
サリーが僕に苦笑する。
石碑の下には小さく但し書きまで書いてある。
『以上の四名は今後転移魔方陣の使用は不可で、遭遇した全ての魔物は消滅します。ドロップも無しです』
完全にVIP待遇だ!
けち臭さいダンジョンだな。
しょうがないので、しばらくは大人しくしてやろう。
「モンスターがいない!」
「中が真っ暗だ!」
「帰りのゲートしかつかえない!」
迷宮の入り口はかなり混乱していた。どうも、迷宮が休眠状態に入ったみたいだ。十中八九間違いなく僕たちのせいだろう。
何て言うか、迷宮を存続させているエネルギー的なものを使いすぎてしまったのだろう。
僕たちは意気揚々と買い取りカウンターに向かう。まずは魔石を出す。カウンターでは場所が足りないので、予備の机を職員さんが持ってきて、そこにも出す。職員さん総出で仕分けとカウントし始めるが、手が足りず、そこにいた学生も臨時のバイトで雇って仕分けてる。
魔石以外のドロップ品もそこそこあり、違うテーブルにまずは通常の素材、ジャイアントウルフの牙とかオーク肉とかを置く。軽く百以上はありそうだ。次は通常の武具防具、鑑定不要そうなものを置く。これも軽く百くらいはありそうだ。途中で面倒くさくなってガンガン床に置いていく。サリーとシェイドにも手伝ってもらって、ガンガン出していく。あっという間に床は踏む場所も無くなる。
次は鑑定が必要な品、魔法がかかってると思われる武器防具、魔法の巻物、魔法薬系、あと訳の解らんものを丁寧に床に置いていく。所詮雑魚のドロップ品だから大したものはないだろうと思ったが、レアポーションの金が1つ銀が2つも入ってた。どっかでレアモンスターも狩ってたのだろう。なにげに嬉しい。
鑑定の人たちを連れてきて魔法がかかったものの鑑定を依頼する。
全てを出し尽くしたあとには、人だかりが出来てて、学校の先生達も集まってきている。それは上手くクレア先生が応対してくれている。冒険者ギルドにも応援を呼んだらしくて、仕分けや鑑定する人たちはかなりの数になってる。お祭りみたいだ。正直、買い取り額は幾らになるか見当もつかない。買い取りのお金は足りるのかが少し不安になる。
一番偉そうな人に、魔法のかかったもので、有益そうなもの以外は全部買い取りを依頼して、とりあえずご飯に行くことにした。
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