第二十八話 ボーナス打ち止め
「打ち止めか……フィーバータイム終了だな!」
金カブが最後と思われるゴブリンを角で叩く。ゴブリンは消えて魔石が残る。その最後の魔石を丁寧にイカが触手で取り、シェイドの収納にしまう。近くの壁に穴があく。帰ってくれという迷宮の管理者の意志だろう。かれこれ3時間位は戦ってたのではないだろうか?
お尻が痛いし、お腹も減った。
僕とサリーは金カブから飛び降りる。みんなも集まってくる。
「よし、みんな集まったな。帰ってうまいもの食べよう!」
僕たちは壁の穴に、向かって歩きはじめる。収納からマントを2枚出して、人間に戻ったイカには僕が、金カブにはサリーがマントをかける。
「「お疲れ様!」」
僕とサリーの声がハモる。僕たちは、目を合わせて微笑む。
「あー、仲良しなんだ。あたしにもお疲れ様はー?」
モモさんが僕にしがみついてくる。
「モモさんも、お疲れ様!」
モモさんはニカッと笑う。なんか柔らかくなったな。
「それにしても、しょっぼいしけたしみったれたダンジョンだな! もっと強い奴だしやがれよ! 手応えなさすぎ!」
アナが激しく悪態をつく。相変わらず下着姿だ。恥ずかしいないのだろうか? 寒くないのだろうか?
ゴゴッ!
軽く地面が揺れる。
なんか空気が変わった気がする!
おもむろに、地面に光る魔法陣が現れる。
「転移魔法陣?」
サリーが呟く。
魔法陣の中央に巨大な人影が現れる。
銀色の甲冑を着た騎士みたいな巨人だ。身の丈はアナの倍くらい、3メートル位はある。
「いただきます!」
アナが、飛びかかり2本の槍を突き刺すが、固い音がして弾かれる。しかもびくともしない!
「じゃ、私がいただきます!」
モモさんが2つの巨人の手で殴りかかる。1つは盾で弾かれ、もう1つは銀巨人の持ってた剣で、砕かれる。
「レア金属のゴーレムね。マリーちゃん!」
サリーの意図を僕はすぐ悟った。
「ディスペル! 結構強め!」
僕の手から放たれた魔法解除の光が銀巨人に命中する。銀巨人はビクンと震え動きが止まり、後ろに倒れる。
「うん、多分アダマンタイトね。高く売れるわ」
サリーはすたすた歩いていき、銀巨人を収納にしまう。
「では、皆さん! 手を合わせて下さい!」
僕はみんなを見渡す。みんな手を合わせる。
「「ごちそうさまでした!」」
僕たちの声が見事にハモる。
大部屋を出て通路を進むと、すぐに地下16層へ降りる階段のある小部屋についた。階段を降りると、中地下16層で地上へ向かう転移魔法陣を見つけて入る。なんか、魔法陣の光が弱々しかった。中地下1層に戻り、迷宮への入り口へ向かう。入り口には来たときには無かった石碑が立っている。それには目立つ字でこう書かれていた。
「マリー、サリー、モモ、アナの四人は迷宮への立ち入りを禁ず」
どうも、僕たちはとうとう出禁になったらしい……
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