第十四話 特訓開始!
「次はマリーちゃんいってみよーか!」
シェイドの部屋のリビングで、クレア先生が飲み物のストローから口を離して、僕に問いかける。
サリー、モモさん、シェイドは汗だくでソファに沈み込んでいる。先生は汗一つかいてない。
「何をいくんですか?」
「戦闘訓練よー!」
先生は立ち上がる。他の3人はへたり込んでて口も開けないようだ。
僕は先生について隣の部屋へ向かう。
「はいっ!」
先生が投げた竹刀をキャッチする。僕は剣については、親父の我流を受け継いだというか、ただ打ち合いまくってきたのでほぼ素人だと言える。けど、親父は強い。強すぎる。キラの時なら剣でそうそう負ける事は無い。
「どこからでもかかってきてー!」
先生がニコニコしたまま竹刀を正眼に構える。竹刀の切っ先は僕の方を向きゆらゆらしている。先生の構えは自然体で全く力が入って無いように見える。けど、どこに打ち込んだらいいのか解らない。何をしても返されるような気がする。ここはスキルで様子を見るか。
「グラビティ・ゼロ!」
重力をカットして今の最速の動きで竹刀を振り上げ振り下ろす。マリーの状態でも常人ならかわせないはずだ。
「え!」
僕の竹刀は先生を突き抜けて、床に叩きつけられる!
ぱしーん!
「いてっ!」
軽く先生に竹刀で頭を叩かれる!
「そこまで悪くは無いんだけど、単純に身体能力が低すぎるわね。動きの無駄を削ぎ落としてもっと力を抜いた方がいいわ。じゃあはい! つぎ!」
僕は遮二無二叩きかかるけど、擦る事も出来ない。
強い!
ただ単純に強い!
最小の動きでかわし、打つ。
ただそれだけを先生はしているのだけど、手も足も出ない……
「ここまでにしましょうか。はっきり言って、いままで能力に頼りっきりで戦ってたでしょ! つぎは自力のみでしましょう」
僕は少しの間で動けなくなり、シェイドに隅に運ばれて行った。
悔しい!
そこそこ強くなったと思っていただけに……
「お願いします!」
次はサリーが来たけど、僕とどっこいどっこいだ。先生に竹刀が擦る事もなかった。少し嬉しい。サリーもしばらくしてへたり込む。
「マリーちゃん、笑ってるけど、まったく強化なしで戦ってるのよ! あたしも自力をつけたいからね。当然先生も強化なしよ」
「え、まじか! 人間ってそんなに早く動けるものなのか?」
僕は素直に驚く!
先生は何らかのスキルを使ってると思ったからだ。少しこの修行に興味がわいてきた。
「マリーちゃん。目がきらきらしてきたわね。強くなりたいって思わないと強くはなれないのよ」
先生は僕に微笑みかける。
よし!
次は僕だ!
「先生お願いします!」
当然、手も足も出なかったけど、なんか少しつかめた気がした。
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