第二話 ダンジョンに突入
「アナ。モモ。誰が1番強いか試したかったのよ」
サリーは2人に襲いかかる。確か前にサリーが3人で1番弱いって言ってなかったか?
「グラビティ・ゼロ! アクセル・テン」
速い! サリーの動きが見ない!
と、思った瞬間に僕はシェイドに手を引かれて廊下を走っていた。え、中庭ではサリーとアナとモモさんの2人が戦っている。
「あっちがシェイドよ。時間稼いでもらったら合流するわ」
僕たちは校舎を突っ切り、庭を駆け抜ける。
しばらくして僕たちはダンジョン管理室と言う建物に着いた。中に入るとなんか冒険者ギルドの受付みたいな所だ。広間にカウンターがあってその前にベンチが並んでいる。いつもは人でごった返すのかもしれないけど、今は人っ子1人居ない。受付のお姉さんを除いて。
カウンターで書類一式を書いてサインして、受付のお姉さんからブレスレットを貰った。
死にそうになったら地上に全快で送還される魔道具だそうだ。1回こっきりの魔道具で毎回ダンジョンを出る時に返さないといけないそうだ。ちなみにこのダンジョンでしか効果はなく、もし使う事になったら大金貨100枚請求されるそうだ。怖ぇ……
その建物の先にあった、ダンジョンの入り口に足を踏み入れる。
大きい階段が地下に続いている。地下中1階にいろいろ施設があるが、無視してつっこむ。ここには数人の生徒がいるが制服なのは僕たちだけだ。
「行きながら、説明するから急ぐわよ」
「おまたせー。ただいま」
後ろからサリーに入ったシェイドが走ってきた。
「色んな所に行ったから、多分2人をまけたと思う」
そういうと、サリーとシェイドは元にもどり、シェイドは僕の影に戻っていった。
僕たちは更に階段を降りて、地下1階に到着した。
「もっともっと加速するわよ、光よ!」
サリーは僕をお姫様抱っこすると、前方に光の魔法を浮かべ走り出す。
「キャッ!」
つい、僕から可愛らしい声が漏れる。なんか姿に心が引っ張られるのか、マリーの時には不意を突かれると女の子みたいな悲鳴が出てしまう。
サリーは前方から大っきなスライムが現れるが走りを止めず蹴り殺していく。
なんか、僕の求めるダンジョン探索とは違う気がする。
制服の少女をお姫様抱っこして疾走する少女がガンガン魔物を蹴り殺していく。
うん、なんか違う。面白くない。
「なあ、サリー少し楽しまないか?」
「えっ!」
サリーが赤くなる。ん?
どうしたんだ?
「マリーちゃん……さすがにここではちょっと……じゃあシェイドの部屋にいく?」
あ、いかん、確実に勘違いしている。そう言う楽しみ方は僕にはまだ早すぎる。
「違う! 違う! ダンジョン攻略をだよ!」
「「………」」
サリーは足を止め、僕たちはしばらく見つめ合う。先に目を逸らしたのはサリーだ。
「じょ、冗談よ! けど、もう階段よ!」
決して冗談には見えなかったけど、ま、いっか。
かくして、地下1階クリアした!
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