第一話 ダンジョンに行こう!
「ダンジョンへ行きましょう!」
サリーが意気揚々と僕の手を引っ張っていく。
昨日は久しぶりにつつがなく、ご飯食べてお風呂入って寝た。
久し振り登校して、G組でしっかり授業を受けて放課後。今日は金曜なので、明日、明後日はゆっくりしようと思ってたのだが、授業が終わるなりこれだ……
「マリーちゃん。考えてみて、私達最近まったくお金稼いでないわ。使う一方で。学校があるから冒険者ギルドの依頼は条件がつくから、ダンジョンに潜って素材やドロップアイテムを売るのが1番手軽で手っ取り早いのよ」
「それで、何故僕らは走ってるのだ?」
「今回は2人で潜りたいの。あ、シェイドも入れて3人ね、シェイドの部屋に魔道シャワールームを作りたいの。だからお金が欲しいのよ。急がないと、いつの間にか大人数のパーティーになって分け前が減るからよ」
「じゃ、サリーだけで行ったら?」
「あ、それもそうね」
サリーは立ち止まる。
「けど、あたし、いつでもマリーちゃんと一緒にいたいの」
サリーはきゅっと僕に抱きついてくる。周りの生徒が注目する。
「ごめんなさい、つい……」
サリーが注目されてるのに気付き、パッと離れる。顔も赤い。けど、手は握ったままだ。
「マリー。急いでどこにいくんだ?」
サラサラ金髪美形のアルスが僕たちに向かって走ってくる。
「グラビティ・ゼロ! アクセル・テン!」
サリーの口から僕のキラの時の必殺コンボが……
思った瞬間に廊下にいたはずの僕たちは中庭にいた。
「サリー! 今のは?」
「キラさんの魔法とスキルよ! 美味しく頂きました。劣化版ではあるけど。あたし自身も強くなってるから、結構すごいでしょ。まだスキルや魔法を貰う条件は分かってないけど、おいおい解明するわ」
え、もしかして、サリーってめっちや強いんじゃ?
「サリー! 抜け駆けしてどこにいくつもりだ!」
空から誰かが飛び降りてきてシュタッと着地する。
金髪の見目麗しいハーフエルフのアナだ。着地の時にはしっかりスカートを押さえてパンツは見えなかった。
「そうね、マリーちゃんを攫う気なら私達を倒して行くことね!」
音もなくフワッと飛んできて着地する。サラサラの長い黒髪が舞う。学園一の美少女との誉れ高いモモさんだ。
僕たちは2人と対峙する。ダンジョンへ向かうには困難ばかりな気がする。
ん、2人とも連れて行けばいいんじゃ?
そう思ったけど、サリーが飛び出した。
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