第十五話 終わりは風呂、始まりも風呂
「あのね、僕ね、女の子の裸ね、苦手なの! だからね、お願い一人で入らせてーー!」
「「だーめー!」」
サリーとモモさんとシェイドの声がハモる!
脱衣所なうで、僕は裸! ぬるぬるがついた服は、専用脱衣箱に入れられた。
サリーとシェイドは入浴済みだというのがせめてもの救いだ。
「マリーちゃん! 恥ずかしいから目を閉じててね!」
モモさんが僕に言うが、恥ずかしいなら一緒に入らないという選択肢はないのであろうか?
「先に行くわねー!」
モモさんが扉を開けて入ったと思われる。目を閉じてるので推測だ。
「こっちきてー! すわってー!」
サリーに手を引かれて浴室に入り座らせられる。
「先に、モモから洗うから! シャワーにあたっててね!」
僕にシャワーが浴びせられる。いい! 温かい!
「まず、髪からね!」
ワシャワシャ音がする。
「モモの髪、サラサラだな!」
シェイドだ。
「ありがとう、体は自分で洗うわ」
モモさんだ。少し見たい気がする。
「じゃ、あたしはマリーちゃんの目隠ししとくわ! そろそろ我慢出来なくなるかもだから! モモの裸めっちゃ綺麗だからねー! 学園ではもてもてだし!」
ん、おかしい、こんなことが前にもあったような? なんかサリーに心読まれてるのではないか?
僕は目を柔らかく塞がれる。
「シェイドがモモの背中流してやる!」
シュッシュッ音がする。
「ありがとう!」
「モモの胸きれいだな! 触ってもいいか?」
「少しならいいわ!」
「おお、柔らかい! シェイドのよりぷりぷりしてる!」
シェイド! 羨ましい! 僕もぷりぷりしたい!
「マリー、シャワー借りるぞ、モモ、流すぞ!」
シェイドがモモさんをシャワーで流す音がする。
「あ、そういえば、さっきマリーちゃんに胸ちゅーちゅーされたのよ! そのあと思いっきり直に揉まれたし裸で抱き合ったわ」
ブシュッ!
「アウチッ!!」
サリーの手に力が入る! 変な音したような? 痛ぇ! 大丈夫か僕の両目!
「マリーちゃん! 今のは本当?」
サリーの低い声が響く!
「不可抗力だ!」
「本当なのね! そんなマリーちゃんにはお仕置きです! おっぱいモミモミの刑!」
「キャハハハッ! 助けてくすぐったい!」
「私ももむー! さっきのお返しよ!」
「シェイドも!」
「キャハハハッ! 止めて! 止めて! くすぐったい! 死ぬー!」
しばらく、僕に制裁が加えられた。モモさんの裸が拝めるかもと思ったが、しっかりタオルが巻かれていた……
「これ位で勘弁してあげるわ! モモ、あたしは裸でぎゅーしてちゅーもしてるわ! あと、あたしの全身でマリーちゃんが見たことの無いところは無いわ!」
サリーの言葉にモモさんが驚愕の表情で僕を見る!
「それも不可抗力だ! サリーを助けるためだったんだ!」
モモさんがキッと僕を睨む!
「わかったわ! 裸でぎゅーしてちゅーね! 恥ずかしいけれど!」
モモさんがタオルに手をかける。
「待って待ってー! 気絶するよ! 平和にお風呂に入りましょう!」
「平和にね! わかったわ!」
モモさんは納得してくれたみたいだ。
「マリーちゃん洗浄ターイム!」
3人は垢すりを持って右手を挙げる。
まるで大事なものを磨くかのように、3人の美少女が僕の体を洗ってくれる。最高だ! 僕は世界を支配したかのような満足感に包まれる!
3人に髪をワシャワシャ洗って貰って、シャワーで流してもらう。
タオルを巻いて浴槽に入る。ん、大っきくなってるような?
「サリー、浴槽大きくなってないか?」
「あ、気付いた? 改造したわ! 3人位で入る事多くなると思ったから!」
何故3人?
「お邪魔します!」
隣にモモさんがくる。浴槽の淵をまたぐとき、きわどい所まで見えそうだった。
「あ、見えた? えっちぃ!」
モモさんが真っ赤になってそっぽを向く。かわいい!
「シェイド! いくわよ!」
サリーとシェイドが脱ぐ!
「待て待て待て!」
僕は目を瞑る。
「目、開けていいわよ!」
モモさんに促され目を開けると、二人は水着でポーズをとっている。サリーは緑、シェイドはピンクのセパレートだ。
「いっきまーす!」
「シェイドも!」
さすがに4人はぎゅうぎゅうだ! 色んなものが体にあたる!
『来たれ! 我が下に!』
ん、なんか声が聞こえた? 男なのか女なのか微妙な高さの声が?
なんか右手が光っている。手を開けると手のひらに魔法陣が浮き出て光っている。強い光を発して消える。
「マリーちゃん?」
「マリー!」
サリーとモモさんが僕に抱きついてくる。
2人の感触、お風呂の暖かいお湯の感触が消える。
目を開けると僕はうす暗い石壁の部屋の中、光る魔法陣の中央にタオル1枚で座っていた……
やっぱり、僕にとって風呂は危険なものだ……
第九章 フロから始まる吹雪の戦闘 完
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