第八話 雪の中の攻防戦
「マリー! 強すぎる。もう少しマナを減らせ!」
ロロが金切り声で叫ぶ。
二つ目の魔銃の射出口が溶けてしまった。
あと、残るはもう一丁しかない!
僕達に迫り来るスケルトン達を魔銃に込めたタッチヒールでがつがつ狩りまくってるのだけど、銃の方がその魔力の過負荷に耐えられずいかれてしまう。まさか魔力の強さが足をひっぱるとは……
少しでも長持ちさせようと、苦手だけど僕は出来るだけ魔力を抑えて銃に込める。
「撃て! 撃て!」
ロロの言葉に合わせて魔力を込める。
バシュ! バシュ!
ロロが狙い僕が撃つ。単純な作業で、どんどん敵が消えていく。ロロの射撃の能力は驚異的だ。
なんとか順調だったのだが、ここにきてスケルトンの後ろから完全武装の黒い騎士が現れる。明らかにスケルトンよりも耐久性が有りそうだ。
「なんか、強そうな奴きたな。マリー、関係ない。今だ撃て!」
ロロの言葉に合わせてトリガーを引く。たやすく命中するが黒騎士は一瞬光るだけでひるまず加速して近づいてくる。
「撃て! 撃て! 撃て!」
バシュ! バシュ! バシュ!
弾が当たるたびに少しは動きが止まるが、倒せない!
「マリー! 効いてはいる! 連打しろ!」
「解った! けどもうじき接近戦に入る! ロロ僕にしっかりしがみつけ! グラビティ・ゼロ!」
僕は水上に立ちロロを背負って黒騎士を撃つ。寒いが背に腹はかえられない。
バシュ! バシュ! バシュ! バシュ!
黒騎士は剣を抜き近づいてくるが、どうにか消滅させる事が出来た。
その後ろを見ると、黒騎士が大地を埋め尽くすように現れ近づいてくる。しかも、後続には盾を持った奴もいる。風も強くなり、舞い踊る大粒の雪が視界を悪くする。
「ロロ! ファイアウォールだ!」
僕はファイアウォールの魔銃を拾ってロロに渡す。
「てーい! くらいやがれ!」
ロロは狙い弾を放つ。
ゴオオオオオオオウッ!!
黒騎士たちは全身を炎に包まれる。前方にいたのは炎に包まれて動かなくなり消滅したが、それを怯む事無く乗り越えて後続がわらわら近づいてくる。全くどんだけいるんだ!
僕たちは、魔銃で黒騎士を撃ちまくるが、1体を消滅させるのに、5.6発はかかる。このままではではジリ貧だ。しかも僕らを逃がさまいと、黒騎士たちは周りを囲み始める。消滅される数よりも圧倒的に近づいてくる数の方が多い!
気が付くと、全方位を黒騎士に囲まれている。そして、ゆっくりと黒騎士は僕らのいる浴槽へ前進し始める。
「ロロ! ここで大人しくしてろ!」
僕は黒騎士に向かって駆け出した。
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